勤務形態や人間関係などの不満は、転職を考える原因の多くを占めています。病院は医師・看護師など数多くの医療スタッフが集まるチーム医療から成り立っており、大なり小なり誰でも職場や人間関係のストレスを抱えています。
ここでは、病院以外に女性医師が求められる職場についてお伝えします。
医師の中には、人の下で働くことが苦手、人の指図を受けるのが苦手、部下を束ねるのが苦手、群れるのが苦手といった性格のために病院の人間関係にストレスを感じる人が少なくありません。
比較的男性医師よりも社会性が高い女性医師はこうした人間関係のストレスを上手に回避する傾向がありますが、子育て中の女医は他のスタッフへ迷惑をかける罪悪感や気配り疲れを感じることが多くなります。
そういった人の中には、自分の時間を自由にコントロールして長期的に安定した収入を得られる開業を検討する人が少なくありません。開業すると残業も少なり、自分の雇った少人数のスタッフで外来を行うことができます。
同じ地域に永住しない場合は、非常勤や雇われ院長といった働き方もあり、女性医師のみのレディースクリニックも都心を中心に増えており、女医のニーズは非常に高いといえます。
こちらもほぼ残業なく定時の業務で女医が働きやすい職場です。将来産業医を考えている人は、妊娠・育休中に産業医コースを受講するのも一つです。企業で働く産業医や役所勤務は基本的に一人勤務であり、医療スタッフ間の人間関係に煩わされることは少なくなります。
産業医学会からの紹介や医療支援サイトを利用した職場探しが一般的で、体力的にも辛くないことから長く続けることができます。また、研究医として活躍したい人も収入源としておすすめです。
医師業は収入源と割り切り、フリーランス医師として高収入案件をこなすのも一つです。非常勤やスポット案件のみで生計を立てるフリーランス女医が増えており、退職後にフリーランスで活躍する女医も多くなってきました。
一般健診、学校健診、産婦人科健診といった健診業務は男性医師が担当することでセクハラなどが問題になることがあるため、女医のニーズが非常に高い分野です。また、麻酔科のフリーランス医師のように、安給のわりに過酷な勤務である病院勤務を避ける医師も増えています。
勤務医として病院で働く以外にも上に述べたようにさまざまな働き方があり、医局制度の崩壊から医局にとらわれない働き方のバリエーションも増えてきました。
もし、現職場の勤務体制や人間関係のストレスに押しつぶされそうであれば、他の働き方に目を向けてみるのも一つです。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |