日本では、経済力のある30代にもっとも離婚率が高くなる傾向がありますが、稼ぐ力のある医師においても同様のことが言えます。しかし、誰でもできれば離婚は避けたいものです。ここでは、離婚回避のために結婚前後で気をつけたい点についてお伝えします。
DVやモラハラ夫は別として(結婚前後で態度が変わることが多いため)、性格は「三つ子の魂百まで」と言われるように簡単に変わるものではなく、結婚前にじっくり相手を見極めることが将来のキャリアに大きく関わります。
まず、価値観の似たもの同士がカップルになることが多いですが、ここで問題となるのが「バリバリ仕事がしたい!」同士のカップルです。この価値観で一致していると(特に、外科や心臓内科など緊急対応が多い科のカップル)、男性が産後に仕事をセーブすることはまずないため、必然的に、産後は女医が育児を担うこととなり、男性と対等に働けないことに女医はフラストレーションを抱えてしまうのです。
さらに、子供ができると時間の使い方が一変します。子供といると、自分のためだけに使えていた時間はほぼ全て子供優先となりますが、独身同様に自分の時間を優先したがる夫(休日のゴルフや飲み会参加、家にいてもパソコンやゲームをするなど)に対して女性は不満が積もっていきます。
こうした性格は子供ができたからといって急に変わることはなく、よくよく考えてみると結婚前からあったものです。特に、専業主婦の母親のもと、大切に育てられた男性医師に非常に多いので注意が必要です。プライドが高く、自己中心的な男性医師の性格や生活スタイルを変えることは難しいので、結局、女医側が相手の性格を受容せざるをえないことがほとんどです。
相手のことが大好きであっても、一生その状況に耐えられるかを結婚前によく想像してみてくださいね。
距離が離れると心の距離が離れていくのも時間の問題です。転勤による単身赴任が多く、女性が多い職場で働く男性医師は、医師というステータスも後押しして、他の職業と比べると男性の不倫率が高いことを女医の皆さんは実感されていると思います。そして、仕事と育児に追われる女医が不倫できる時間はないため、女医が略奪婚されるケースは多々聞くものの、逆のケースは筆者の周りでは女医(女医は子供なし)が略奪婚した1件(レアケースですし有名な先生だったので全国的に話題に...)のみでした。
医師の場合、もともと学生時代から女性関係が派手だった、いわゆる「モテ男」だけではなく、不倫で離婚したケースを聞くと、「(失礼ですが...)えっ!こんな人が!?!」ということも多いのも特徴かもしれません。
不倫をされて離婚を回避できたとしても、相手への不信感や心の傷は一生消えないものです。キャリアを優先したい気持ちももちろんあると思いますが、結婚を決めたからには、夫の心の隙を作らないように、子供ができてからも夫婦で一緒にいる時間を大切にし、(特に、医師同士カップルは)なるべく別居をさける道を模索するべきです。
「結婚がゴールではない」ことは頭ではわかっていても、結婚を焦る女医にとっては現在の彼氏との結婚を逃すと次がないと思い、結婚を焦ってしまうかもしれません。しかし、離婚は結婚よりも辛く、エネルギーを要しますし、子供がいればなおさらです。
結婚前の方は、いま一度、冷静に現在の彼氏と子供ができた時の生活を考えてみてください。また、結婚している方は、キャリアや仕事の充実を優先するあまり、子供や夫との時間が少なくって後々後悔しないよう、その都度ワークライフバランスを見つめ直すことが夫婦円満の鍵と言えます。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |