年々、男性看護師の数は増えてきていますが、男性看護師のキャリアアップ事情にはどのようなものがあるのでしょうか。女性とは少し違ったキャリア形成の流れを紹介していきます。
男性看護師は女性看護師に比べ、産休育休などで現場から離れることがほとんどないため、着実にキャリアを積み重ねていくケースが多いのではないでしょうか。実際のキャリアアップ事情を紹介していきます。
たとえば、資格の種類としてはインストラクター、認定・専門看護師、その他の診療科にまつわる資格などを取得する人が多くいます。自分の専門分野を決めて、スペシャリストとしてキャリアを積んでいくケースです。最近ではさまざまな国家資格、民間資格があるため、そうした資格を取得してうまく活用する人が増えてきています。
男性看護師は途中で現場を離れる機会が少ないため、10年以上働き続けるケースも多くあります。10年も働いていると、主任や師長候補として管理職への道が出てくるため、男性看護師でも管理職となることもあります。特に精神科や脳外科などの男性看護師が多い診療科では、男性看護師の管理職が多いです。最近では男性の看護部長も見かけるようになりました。
現場でのキャリアアップではありませんが、看護学校の教員としての需要も増えてきているため、付属の看護学校や大学などで教員となる道もあります。最近では男子学生も増えてきたことにより、男性教員の募集も目立つようになってきました。教員として学生指導の経験を積み、現場に戻るケースもあり、学生や看護師の教育に興味がある人には、チャレンジしてみるのも一つの手です。
病院である程度経験を積んでから、訪問看護ステーションの立ち上げなどをする男性看護師も多いです。訪問看護師では訪問入浴や介助などの力仕事が必要になる場面や、最近では精神科に特化した訪問看護ステーションもあり、男性看護師の活躍の場が広がってきています。財務管理などの数字に強いのも男性看護師に多いので、看護師でも管理者向きなのかもしれません。
女性はある程度臨床での経験を積むと、クリニックや訪問看護、派遣やパートなどの多様な働き方をするケースが増えてきます。家庭を持って、子育てや家事などに追われることが多いからでしょうか。しかし、男性看護師の場合には、派遣やパートでの働き方をしている人はあまり見かけません。常勤でしっかりと働くイメージがまだ強いですが、女性同様に多様な働き方を実践していく人も今後増えてくることでしょう。
男性看護師のキャリア事情は少し女性と違った面があります。女性ほど、どこでも働けるわけではなくても、それでも同じ看護師として、男性看護師の活躍の場はこれからもっと広がってほしいと思います。
![]() |
ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |