看護師の新しいシフト、長日勤(ロング日勤)を知っていますか?実は夜勤の時間を減らす流れから生まれたシフトですが、現場で働く看護師の間では賛否両論あるようです。今回はその長日勤シフトはどんなものか、メリットデメリットをご紹介していきます。
看護師のシフトは3交代が主流の時代から2交代が主流となりましたが、ここにきてこんな問題が出てきました。2交代の夜勤は実質16~18時間拘束が当たり前で、看護師の心身ともにストレスの原因になっていること。3交代から2交代になったことで、看護師の休みが確保しやすくなったことと、人材不足でもカバーできるようになりました。
しかし、夜勤の拘束時間が長いことは現場からもつらい声があがっていました。夜中に休憩時間が設けられているにしても、実際には緊急入院や処置で休めずにそのまま朝を迎えるということもざらにあります。さらに医師や看護師の働き方改革や労働環境に伴う議論のなかで、夜勤を13時間以内とすることが推奨されるようになりました。そのことにより、日勤の時間を12時間にし、夜勤とのバランスを保つという変則シフトが誕生したのです。
病院などによってその時間は微妙に違ってきますが、通常の日勤業務のほかに早番と遅番の時間を合わせたような長日勤が存在します。時間帯としては「8時~21時」などの時間で組まれているシフトです。そのため、夜勤の時間は「20時~9時」となります。長日勤のあとのシフトは夜勤であるなど、インタバールがある程度保てるように工夫されているところが多いです。 たとえばこのようなシフトです。 日勤→日勤→長日勤→夜勤→夜勤明け→休み→日勤
他にも、早番や遅番、午前午後の半日勤務などをうまく組み合わせ、ワークライフバランスを意識している職場もあります。
患者さんの状況が一日を通してわかりやすいなど、看護師としての視点があげられます。しかし、長日勤自体のメリットはあまり感じないという人も多いなか、夜勤が13時間以下と短くなり、夜勤入りが遅い時間になるために昼間自由が利くようになったという意見もあります。もともと残業が多く、20~21時ころまで残っている業務の場合、普段の業務と変わらないという理由で、長日勤のほうが楽と答える人もいます。
日勤の拘束時間が長くなるためにきつい、処置や介助が多く感じることなどがあげられ、身体的なつらさを訴える人もいます。また、長日勤後のシフトの流れによってはゆっくり休む時間がなかったと答える人もいるようです。長日勤が連続してある場合には、そのつらさが倍増するのではないでしょうか。
長日勤を取り入れている病院はまだそれほど多くはありませんが、転職する際にはこうしたどのようなシフト体制なのかは十分に注意して確認する必要があります。夜勤がつらいと感じる人にとっては、長日勤シフトの組み合わせが合うという人もいるため、よく見極めていきましょう。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |