仕事を辞めたい、やりたいことがある、あるいは出産するか悩んでいるという方、どんなリスクと天秤にかけていますか?再就職やキャリア形成でしょうか?せっかく頑張って取得した薬剤師免許です。有利な部分を思いっきり使って、もっと楽に考えましょう。
今のところ、薬剤師にとって転職は簡単です。もちろん良い条件や自分に合った雰囲気の職場が見つかるかは別問題。しかし、再就職の可能性だけを見れば何かしらの免許や資格を持たない人に比べて圧倒的に有利ですよね。それなら、自分を潰してしまう前に思い切って辞めるという選択もありだと思うのです。もしやりたいことのチャンスが巡ってきたなら迷わず掴んでしまいましょう。
仕事を始めて数週間、なんとなく飽きた、とか朝起きるのがダルい、といった理由で辞めるのはおすすめできません。しかし、「とりあえず3年」の継続神話も根拠はないのです。仕事以外で、向いていない事をとりあえず3年続けてみろ、と言う人はいませんよね。
つまりこれは社会全体が転職に後ろ向きだった頃の精神論か、せいぜい処世術。再就職もほぼ約束されているのですから、今自分のやりたいことを優先しても良いと思いませんか?
社会がどんなに変わっても、女性にとって出産や育児は大きなイベント。子供を望まないというのもひとつの選択です。とはいえ、子供は絶対いらない!仕事だけ!とはっきり言える人は少ないですよね。多くの人が、子供がいたらうれしいし、でもキャリアだって欲しい、と悩んでいます。子供が生まれることで自分の時間が減るのでは、と心配する人もいるでしょう。
ここは1つ、長期的な目で見てみませんか?現在、日本女性の平均寿命は87.26歳。薬剤師に定年はありませんから、今30歳とすると、なんとあと50年以上働けます。それに比べて出産はどうでしょう。近年では40代後半の初産もありますが、安全といえるのはあと10年そこそこ。
仕事に比べて5分の1の期間です。もし子供が成人するまでの20年間まったく仕事をしないとしても、30年も残りがあるんです。勤続30年なんて、十分なキャリアだと思いませんか?
そんな便利な薬剤師ですが、残念なことに自分のために生きる人を批判する人達がいます。離職や転職に否定的だったり、そうかと思えば女は子供を産むべきだと言ってみたり。全く関係ないのに免許を取らせてもらったんだから社会に貢献すべきだ、なんて言う人もいます。本当に大きなお世話。
こうした「アドバイス」に対しては、真に受けず自分のために生きて何が悪い!と言えるのが1番。しかし、自分でもこれでいいんだろうかと悩んでいる時や心が弱っている時、なかなか強くはいられませんよね。そこで、もしも少しだけ余裕があるならアルバイトがおすすめ。職種はもちろん薬剤師。できれば高時給のドラッグストアか調剤薬局の派遣が良いでしょう。
このアルバイト、週に2日だけでも入れれば扶養範囲を超えることができます。実は「アドバイス」は、お金に関する嫉妬や八つ当たりが原因のことも多く、その手の人達は「税金も年金も、趣味に充てるお金も全部自分で稼いでいる」という事実で撃退しやすいのです。
辞めても良いなんて簡単に言わないで、と思うかもしれません。でも、私たち薬剤師にとって社会は案外優しくできています。今、自分に1番厳しいのは自分になっていませんか?長い人生、仕事かやりたいことか、子供か、なんてひとつに絞る必要はありません。もう少し「薬剤師」の力を信じて自分を甘やかしてみましょう。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |