金沢大学大学院の鈴木先生をお招きしてセミナーを開催いたしました。多くの方にご参加いただき誠に有難うございました。
胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスを、注射、内服、外用などにより治療に用いる療法を「プラセンタ療法」といい、近年、アンチエイジング領域において注目を集めています。プラセンタの効用は古くから知られ、とりわけ滋養強壮、若返り等の薬として珍重されてきました。
我々は以前から更年期~老年期女性の健康と美容に的を絞った研究を行っており、ランダム化比較オープン臨床試験により、更年期女性に特有の症状であるホットフラッシュ、うつ、不眠、イライラに対し、ブタプラセンタエキスを経口摂取することが有用であることを明らかにしました。また、ブタプラセンタエキスは更年期女性の肩こりや関節痛を緩和する効果を有することも報告しました。
その他、創傷治癒・抗紫外線・炎症軽減に関する報告、歯科・眼科領域等での有用例をはじめ、免疫疾患・アレルギー性疾患、美容(美白、肌のたるみ・小じわの解消)、抗疲労、抗ストレス作用等が知られています。
プラセンタエキスについては比較的多くの報告がみられます。肝疾患については、プラセンタ注射剤の慢性肝炎及び肝硬変に対する効果が報告されています。
また、基礎医学的にも肝再生促進作用、肝細胞DNA合成促進作用、肝障害抑制作用、抗脂肝作用、肝線維増殖の抑制作用などが知られています。さらに、血清中のIGF-Ⅰ(インスリン様成長因子)の増加作用が報告されています。IGF-Ⅰは細胞を健康な状態に維持し、抗酸化・抗アポトーシス作用等により細胞の老化進行を阻むと考えられています。
最後に、プラセンタエキスのロコモティブ症候群(運動器症候群)に対する臨床効果についても考察します。加齢に伴う筋肉量の減少はサルコペニアと呼ばれており、筋力低下による運動障害、身体的障害や自立の喪失等日常生活動作 (ADL) の低下は老年症候群の重要な問題の一つとなっています。
プラセンタエキスはモデルマウスを用いた実験によって、筋萎縮と線維化の抑制効果が認められ、サルコペニアの改善に有用である可能性が期待されています。サルコペニアには栄養療法、運動療法、薬物療法が効果的ですが、運動障害を抱える人にとって運動は困難であり、これらサプリメントの摂取も意義があると考えられます。
昭和56年防衛医科大学校卒業後、金沢大学産婦人科医局に入局。金沢大学医学系研究科講師となり、臨床研究開発補完代替医療学講座特任教授となる。平成13年から日本補完代替医療学会理事長、平成26年から未病体質研究会理事長となる。補完代替医療分野のなかでも特に、各種機能性食品・植物性医薬品の臨床研究が専門。
2019年4月20日(土)13:00~15:00 | |
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「プラセンタエキスとアンチエイジング」 | |
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