「できる医師」は周囲の信頼を勝ち得て、順調なキャリアを駆け上がってゆくものです。では、「できる医師」になるためにはどんなことに気をつければよいでしょうか?ここでは、「できる医師」に共通してみられる3つのポイントについてお伝えします。
医療に携わるものなら必ず耳にする言葉が「チームワーク医療」です。医療は医師一人では絶対に成り立ちません。そのため、医師の指示を受けて動いてくれる周囲のスタッフとのコミュニケーションは欠かしてはいけないのです。しかしながら、医療の世界では医師がピラミッドの頂点にいるために勘違いをして、周囲とのコミュニケーションをとらずに独走するオレ様主義の医師も少なくありません。
しかし、ひと昔前によく見られたオレ様主義の医師は今や周囲に敬遠され、上司の信頼を勝ち得ることは困難ですし、部下にも嫌われてしまいます。医療スタッフとの円滑なコミュニケーション能力を身につけ、謙虚な姿勢で上手に立ち回ることが「できる医師」への第一歩です。特に、女医は子育てなど、周囲の助けを必要とする場面がたびたびあり、普段からコミュニケーションを円滑に行っておくことで周りに救われることも多々あります。
「できる医師」は「あの先生はすぐに来て助けてくれる」という周囲の信頼を勝ち得ているものです。そういった医師は自ずと自分に任される仕事が増えて、キャリアにおいても重要なポジションを任されるようになります。また、困っているスタッフを助けることで、自分が困ったときには周囲が力になってくれるのです。
経験の浅い下級医のときこそ、フットワークを大切にしてナースコールに迅速に反応し、すぐに現場にかけつけましょう。現場に駆けつけて、自分でたくさんの患者を診ることで医療技術や知識、緊急時の対応力も身につきます。このフットワークの軽さは上級医になったときにもぜひ継続し、自らが手本となって屋根瓦式に下級医に伝授していきましょう。
「できる医師」は患者・患者家族との信頼関係を結ぶのも上手です。医療訴訟ニュースが毎日のように流れていますが、医療事故が訴訟にまで発展してしまうほとんどの理由が、医師と患者間のコミュニケーション不足によるものです。中には適切な治療を行なっていても、医師が横柄な態度だったという理由や、コミュニケーション不足による不信感で訴訟になるケースもあります。
医療の世界では正解がない問題も多々ありますし、医師も人間でありミスをすることもあります。そのような場面に直面したときに、しっかり患者・患者家族と信頼関係を構築できる医師はトラブルに巻き込まれにくいのです。インフォームドコンセントをしっかり行うのはもちろん、目を見て話す、気持ちに寄り添うといった基本的な人間力も必要となります。
「できる医師」は、医療が病院・医院・開業・アルバイトといったどの形態であっても、スタッフとのチームワークおよび治療する対象の患者がいることによって医療が成り立っていることを理解しています。くれぐれも自己中心的・排他的にならないように注意しましょう。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |