常勤医や研修医が避けて通れない当直制度。当直翌日は通常勤務が待ち受けており、眠たい目をこすりながら必死で集中力を保って業務をこなさなければなりません。
ここでは、そんな当直制度の苦労や乗り越えるコツについてお伝えします。
当直と一言にいっても、各科当直に加え、内科・外科当直、病棟当直、救急当直、ICU当直などさまざまです。
実践力のつく初期研修に力を入れている研修病院では、専門科の当直に加え、病棟当直、内科・外科当直、救急当直などへの対応力が身につくため、研修医の病院選びやローテーションは大切です。
例えば、初期研修時代に救急当直が1年中あるところでは緊急度の高い疾患に触れて実践的な経験が積めるので、将来さまざまな当直に対応できる力がつき、仕事の幅や選択肢が増えます。
多少体力的に無理がきく若い間は、週1〜2回の当直が一般的です。
度重なるコールによって睡眠が分断される当直はストレスが溜まります。睡眠が分断されると体が休まらず、次の日の通常勤務に支障をきたすため、不必要な夜中のドクターコールを減らす対策は重要です。
工夫としては、緊急性の高いもの以外は、「夜22時にナースステーションに行く」と伝えてその時にまとめて申し送ってもらうなど決めておくとよいでしょう。
また、睡眠は取れる時にとることも大切です。当直日は早い時間帯であっても暇な時間があれば寝ておきましょう。
ついつい時間があると今やらなくてもいい仕事をしがちですが、睡眠時間が5時間を切る日が続くとうつ病などメンタルに支障をきたす人が多いとされており、頑張りすぎは厳禁です。
理不尽な患者や夜中に軽症で来る患者に、ついつい怒りがこみ上げて冷たい態度になってしまった医師は少なくないはず。
夜中に叩き起こされ、苛立つ時もありますが、一旦深呼吸をして、患者を自分の家族だと思ってなるべく優しく接するように心がけましょう。適当にあしらっても、丁重に扱っても、診察しなければいけないことに変わりはありません。
たとえ軽症であっても、夜中に訪れた不安を抱えた患者や一癖ある患者を適当にあしらうとかえってトラブルになるので、それを避けるという点でも有効です。
今回は、苦労が付きものの当直の大変さや緩和策についてお伝えしました。若い間は、苦労は買ってでもした方が後々仕事の幅が広がります。無理のない範囲で当直は積極的に引き受け、どんどん経験を積み実践レベルを上げましょう。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |