仕事と子育ての両立を成功させるためには、優先順位を考えて柔軟に対応することが大切です。どの家庭においてもいえることは、子供の環境を整えることが一番ということ。
その上で、ストレスが少ないように仕事を続けるためにはどのような点を意識したらよいかについてお伝えします。
仕事と子育て両立における最大の課題は、子供が心身健やかに育つ環境を整えることでしょう。保育所の選択では、延長保育や病児保育のある施設、子供が塾や習い事へ行く時間が取れない場合は、教育に力を入れている施設も人気です。
また、肉親のサポートの有無は働き方に大きく影響します。子供が小さい間は実(義)両親が若くて元気なので、保育所からの急な呼び出しや小学校が終わってからの数時間を両親にお願いするもの一つの方法です。
また、昔は子育ては妻の仕事と考える夫が非常に多かったのですが、若い世代は男女平等の価値観で育っていますので、比較的夫の協力が期待できます。乳幼児期から夫にも、帰宅後の皿洗いや週末の洗濯や朝の送迎など、できる範囲で子育てに参加してもらう習慣を作りましょう。
医師生涯の中で、必ず転職の機会は訪れます。女医の場合、激務の職場では仕事と子育てのバランスが取れないため、多くの人が転職します。
大学病院など規模の大きい施設では、常勤から非常勤への勤務形態変更が可能ですし、急な休みも比較的取りやすいといったメリットがあります。また、クリニックの午前外来、入院病棟のない病院なども夜間オンコールや当直がないため、子育てとの両立が可能ですし、収入も確保できます。
子育て中に産業医の単位を取り産業医として復帰したり、外科系から内科系への専門科変更という手もあります。さまざまな形の「転職」がありますので、自分にあった道を広く模索するとよいでしょう。
仕事と子育ての両立でストレスを抱え込むのは、自分にも職場にも子供にとっても良くありません。よくあるストレスは、子育てのためにやりたい仕事に従事できず仕事で成果が出せないこと。
加えて、子育てにおいても子供といる時間が少なくなり、子供が病気なのに一緒にいてあげられない罪悪感などから、仕事・子育てのどちらも中途半端と感じてしまうようにもなります。
仕事と子育てを完璧に両立しているように見えるスーパーウーマンでも、ふたを開けてみると悩みやストレスでいっぱいなものです。
子育て中の女医が複数いるとこういった悩みを分かち合えますし、困った時はお互いサポートができる心強い存在となります。転職の際は、こういった点にも着目して選ぶとよいでしょう。
「最先端の現場で医師の仕事をこなしながら子育ても完璧な、スーパーウーマンになる必要はない」という心の持ち方が、少ないストレスで子育てしながら仕事を継続できるコツです。
その上で、子育てと仕事を無理なく両立できる環境を探す「転職」にも目を向けてみましょう。また、職場や保育所、肉親のサポートに日々感謝の心をもち、どんなに仕事で疲れていても、繊細な子供の体や心の変化を敏感に感じとってあげることが一番大切です。
![]() |
めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |