子供の呼び出しで一番多い理由は、子供の体調不良によるものです。一般の保育施設は、病児を預かるリスクが高いことから、少しでも発熱していたら親のお迎えの要請をします。
働き始める前に、こうした急な呼び出しにどのように対応するかをシミュレーションしておくことが大切です。
定期的なカンファレンスや回診にはなるべく参加して患者情報を皆で共有し、自分の担当患者が困っているときに他の医師が対応できる体制を整えておきましょう。
回診やカンファレンスは早朝や夕方に行われることも多いため、どうしても子供の送迎で参加できないときは、時間の変更も提案してみましょう。医員の少ない施設では比較的融通がききます。
また、自分の担当以外の患者にも目を向けておくと、他の医師が困っているときにサポートできるので、なるべく担当以外の患者のことでも把握しておく姿勢が大切です。
大学病院といった大規模の医療施設では複数体制での外来が多いため、一人が抜けてもなんとか外来を回せますが、他の医師が多くの患者をさばかなければならず、迷惑をかけます。
たびたびこのようなことが続くと、他の医師は不満をいだくようになります。最低限、自分が担当する外来患者のうち申し送りが必要な患者は、しっかり申し送りをしてから病院を出ましょう。
専門外来の場合、その分野を専門とする医師が少ないため、他の医師が代わりにはいれないことがほとんどです。外来スタッフが予約患者に外来休診の連絡をいれなければならず、スタッフ全体に迷惑がかかります。
バイトは、代診を出せるほど人員に余裕のある職場はほぼないため、こちらも急に引き継ぐことは非常に難しいと考えてよいでしょう。
これまでお話してきたように、ほとんどの場合は急な休みにより代診を立てることは難しいため、子供の緊急時(特に、頻度の多い病児のお迎え)にすぐに対応できる体制を整えておくことが重要となります。
一番頼れるのは自分の両親。両親が退職していて時間に余裕があるならなおさらです。理想は夫婦一緒に暮らすことですが、女医が仕事と育児を両立させるために実家に身を寄せ、夫が単身赴任となるケースは多々あります。
また、病児シッターおよび病児保育施設の確保など、急な呼び出しを受けた際に対応できる複数の手段を用意しておくことが大事です。
ほとんどの施設が最低限の人数で仕事を回しているので、自分の代わりを探すのは非常に難しいものです。
自分が休むことで多くの人に迷惑がかかることを肝に銘じ、なるべく急に休まなくてもよいように、実家の協力・病児シッター・病児保育といった、複数の手段をあらかじめ手配しておくことが大事です。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |