子育ては、病気がちで目が離せない乳幼児期、「小1の壁」ともいわれる公的施設での保育時間が短くなる小学校期、受験戦争が始まる小学校高学年〜高校期など、フェーズにおいて立ちはだかる壁は異なります。
ここでは、仕事と育児の両立のために転職を考える上で、転職先にあったら助かるポイントについてフェーズに分けてお伝えします。
手のかかる0~1歳の保育所募集人数は非常に少なく、狭き門です。特に都市部では、妊娠・出産により前年度に退職していた場合、保育所選考点数が低くなるため入所がかなり難しくなることも。
待機児童が多い地域や早生まれで0歳児から入所できなかったときには、すぐに仕事復帰できる託児所併設の病院が非常に助かります。これは大病院だけでなく、中小規模の病院でも病児保育対応可能で儲けているケースがあります。
また、定時に帰る、当直・オンコールには入れない、といった育児による勤務制限に関しても融通がきく職場であるかどうかや、医員に子育て女医がいるかどうかといった個々の職場の条件も非常に重要です。
そういった内情をリサーチする時に、転職エージェントは役立ちます。
小学校へ入学すると一気に帰宅時間が早くなるため、育児時短勤務が可能な病院は助かります。
公立病院では役所と同じ就労規則が適応されているため育児時短勤務があり、常勤でも週2.5日勤務が可能というところも少なくありません。
また、小学校からはPTA、運動会や文化祭など親が参加する行事も増えるため、上司に育児に対する理解があり、比較的自由に有休が取りやすいかどうかも着目すべき点です。
クリニックの一診外来であっても、あらかじめ分かっている休みであれば、エージェント会社を利用して、代診を用意することも可能です。都心部では、医師数が多いことから代診医が見つかりやすいという利点があります。
この時期は、親子で受験勉強に本腰を入れ始めるころです。大人の目がないと自発的に勉強する子は少ないため、必然的に母親が子供の学習サポートをすることとなり、転職して非常勤勤務に変わる人が多くなります。
勤務先で常勤から非常勤にシフトできたら一番よいのですが、職場を変えざるをえない場合、休みを自由に取れる単発アルバイトや「週2日から相談可」といった融通のきく外来求人案件が人気。
手がかかる二人目以降もこのケースに当てはまります。
どのフェーズにおいても、医員が比較的多いと複数体制でサポートしてもらえるので安心です。しかし大学病院でない限り、ほとんどの医療施設は医師不足なので、実際はかなり難しい条件と言えます。
転職先を見つける際には前述したようなポイントを参考に、子供の成長にあった職場や働き方を柔軟に変えて、仕事と育児の両立を成功させてください。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |