臨床医として復帰したいなら、実践で感覚を取り戻すしかありません。まずは、患者数の比較的少ないクリニックを選び、外来からスタートすると心理的にも負担が少ないでしょう。
今は転職支援サイトが複数あるため、特に大都市やその近郊に住んでいれば仕事先に困りません。さらに、アルバイト先が将来の転職につながる場合もあります。
実際、妊娠中に単発のアルバイトや短期非常勤として働いていましたが、複数の勤務先から常勤にならないかと話をもちかけられました。また、医員が欠如している関連施設を紹介されることも。
どんな形であれ、復帰は早ければ早いほど知識や感覚を取り戻しやすいので、単発アルバイトからでもよいので早めの復職を目指しましょう。
数ヶ月ごとに郵送されてくる学会誌に目を通すだけでも、ガイドラインの変更や新規治療、日常診療では出会うことの少ない希少疾患症例などの情報に触れられます。
筆者も海外在住時は臨床医として勤務していませんでしたが、学会誌は知識のアップデートに役立ちました。さらに、最近では医療サイトが提供するe-learningも増えてきており、インターネットがあれば世界中で授業が受けられます。
知識の量は診察の質につながるため、勉強をする機会を絶やさないことが重要です。
病棟業務から離れている期間が長いと、患者を一人で対応しなくてはならない当直やオンコールが不安になりますが、その点、医員が多い大学病院は比較的融通がききます。
臨床医としてブランクがある場合は、いきなり専門外来を持たされたり、一人で重症患者を受け持つことは少ないため安心です。
ブランクがあってさらに子育て中の場合、たとえ専門医や博士号を持っていても実践力として活躍できないことも多々あり、民間病院での雇用は難しいのが現状です。そういった時、やはり大学病院は女医も多く復帰しやすい場所といえます。
子育てのために数年のブランクが空いてしまうと臨床医として復職する際には不安になるものです。ブランク中もなるべく継続して勉強し、週末だけでも外来に復帰し感覚を取り戻しましょう。また、大学病院の医局に声をかけてみるのも復職のコツの一つです。
![]() |
めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |