ただでさえ忙しい臨床医として働いているのに、子育てなど家庭のことでさらに忙しさが増すと、スキルアップは後回しになりがちです。そして、目の前のことを淡々とこなす日常に、焦りや不安を抱えている女医も少なくないでしょう。
ここでは、どんな現場で働いていてもスキルアップに繋がる方法についてお伝えします。
外来業務は、診察、検査、診断、治療、患者説明といった流れの繰り返しで、マンネリ化しやすい現場です。
しかし、どんな時にも本当にその方針で正しいのかエビデンスを意識することで、自然と医学書や専門誌、ガイドラインに目を向ける習慣がつきます。
「悪くなることがあるので治療が必要です」とだけ言うのか、「7割の人が自然に治りますが、3割の人はそのまま、もしくは増悪することがありますのでしっかり治療しましょう」と説明するのかで印象は全く異なります。
営業本でも具体的な数値を出して説得力あるトークをするテクニックがよく紹介されていますが、それと同じで、患者さんとの信頼関係構築にも役立ちます。
さらに、論文や本を読む習慣がつくと、将来の自分の論文・研究対象になりそうなものを意識できるようになります。
医師として、そして母として奮闘中であれば、ゆっくり専門誌を読む時間は取れないものです。そんな時は、大手医学サイトに登録して、通勤時間などのちょっとしたすきま時間に気になる記事に毎日目を通す習慣をつけるのもオススメです。
メール登録しておくと、登録した専門領域の最新トピックや論文をメールでお知らせしてくれますし、無料で講義が受けられる機会もあります。また、サイトを閲覧することで、専門外の最新トピックも目に入りますので、気になる記事を目に通すことで知識が網目状に広がっていきます。
医療は日々急速なスピードで進化しているので、毎日かかさず最新情報に触れることは大切です。
出産や子育てといった家庭の事情や居住地の医療状況により、専門分野の医師として働き続けられないことはよくあります。
例えば、子育てや介護などの時間的都合でフリーランス医師としてしか働けないこともありますし、夫が転勤族のために短期の移動ばかりでなかなか次の就職先が決まらないことも。
そんな時、専門科の診療だけでなく、求人案件の多い内科外来、人間ドックや産婦人科健診を含む健診業務など幅広く対応できると、どんな状況でも仕事が安定して入るようになります。
専門分野外の知識を増やそうと思ったら、どんなに時間があっても足りないくらい日々学ぶことがあります。毎日同じことの繰り返しだとマンネリ化しやすいので、常に専門外にも興味を持ち、知識や資格の習得にも目を向けてみるのも一つです。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |