医師のほとんどが常勤先以外にも仕事を持っており、不定期のバイトや外病院の非常勤という勤務形態はよくみかけます。ここでは、非常勤・常勤の組み合わせでよくある3パターンについて、両立する上での工夫点や注意点などをお伝えします。
医局に属すると、大学病院の給料だけで生活するのはかなり厳しいため非常勤バイトをしなければならないのは周知の事実です。産後や子供が小さい間は医員が多い大学病院が比較的融通がきくものの、フルタイムで働くと保育料もかかるため子育て中の女医であれ非常勤バイトをせざるをえません。
忙しい大学病院と非常勤先との往復は疲れますし、土日にバイトや勉強会が入ることもあり、時間も体力も削られていきます。そのため、専門医を取るまでの数年は頑張って大学に残り、その後大学を離れる女医が多くなります。
医局を離れた後も医局の関連地域で勤務を続けたい場合、円満に退職しないと次に就職しづらくなります。妊娠や出産、子供の入卒といった転職しやすい時期を見計らって自然に円満に転職できる機会を逃さないことが大切です。
民間病院は大学病院ほど給料が悪くないため、若手が非常勤に出ることは少ないですが、医局の関連施設の場合、医局派遣による非常勤バイトをお願いされることがあります。
中小規模の病院の常勤は、自分が主導となって医療に携わる機会が多くなるためやりがいがあり、給料の面からも若手〜中堅の医師に人気です。
逆にいえば、医員が少ないために一人一人の仕事の負担が大きくなりがちで、女医の妊娠や出産により他の医員に負荷がかかってしまうため、非常勤バイトは必要最低限にしましょう。
医局の強制的な派遣であれば断りにくいですが、常勤の仕事が中途半端なのに、お小遣い稼ぎにバイトに行くと職場を敵に回すこととなるので要注意です。日々の周りへの感謝や気遣いは忘れずに。
妊娠や出産後であっても非常勤バイトは復帰しやすいため、常勤時から非常勤バイト先としっかりコネクションを作っておくとよいでしょう。
人間ドックといった健診医、公務員、産業医、介護施設の常勤として働きつつ、専門科の外来を週数回といった形で続けている女医も増えてきました。
非常勤で専門に携わり続けつつ、定時に帰れる産業医・公務員・健診医を常勤とする働き方は、子育て中の女医にとって魅力的だからです。
専門性を活かしながら、安定した給料も子育て時間も確保したい人にはオススメの働き方であり、また、年齢を問わず長い目でみても無理なく働ける働き方です。
産業医や公務員、施設の常勤医などは一般に応募されていない募集先も多いため、方針が決まったら早めに転職エージェントに希望を伝えておくことが大切です。
子育て中であっても、給与面での問題や地域医療を支えるための医局派遣により、多くの女医が常勤の他にも外病院での非常勤外来を余儀なくされています。ここに挙げた情報を参考に、子供の成長に合わせて仕事と家庭が両立できる無理のない働き方を見つけてください。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |