専門医を取得すると具体的にどのようなことに役立つのでしょうか?キャリアアップ、転職時のアピールポイントになる、大病院、専門性に特化した病院などでは重視される傾向があるなどさまざまなメリットがあげられますが、ここでは3つのメリットについてお伝えします。
同じ外来枠でも、専門医の資格があるだけで数千円時給がアップすることはよくあります。時給○○円〜と書かれているところの多くが、専門医資格がない場合は最低料金からの開始になり、そこから今後時給アップする可能性は低いものです。
若い間は安い時給でも幅広く経験できるところを選ぶことが大切ですが、子育て中などの事情によっては午前外来だけでも効率よく稼げるところがよいこともあります。
また、専門医取得までの道のりは決して優しいものではないため、転職時には「厳しい過程をきちんと乗り越えてきましたよ」というアピールにもなります。
専門医をとる条件として、専門科を習得するために必要最低限の症例を経験することが要求されているため、幅広い知識を身につけることができます。
また、後期研修医終盤になり、ある程度慣れてきてモチベーションの維持が難しいときでも、専門医取得過程では経験すべき症例数や症例の種類が決められているため目標が立てやすく、モチベーション維持につながります。
また、取得したという実績がいい意味で自己肯定感および医師としての自信にもつながります。さらに、取得してからも専門医資格維持のために学会や勉強会への参加が必須であり、勉強する機会を強制的にであっても持つことができるので医学知識を磨きつづけることが可能です。
安い給料で雇用できて即戦力のある後期研修医までは就職先がある程度多いものの、それ以降に総合病院レベルに転職しようとすると、雇用条件に専門医必須としている施設が多くなります。
さらに、医員が複数いる施設では、上級医になると下級医の指導といった指導医および管理職としての役割も担うため、指導医資格や博士号が求められるようになります。
開業する場合でも、今はインターネットで職歴を公開している施設が多いため、専門医というタイトルはあって損はありません。
臨床医を目指す医師の多くが専門科において専門医取得への道を歩みますが、結婚や子育てなどの事情により道半ばになってしまった女医は少なくありません。
しかし、ここに挙げたように専門医を取得する利点は多々あるため、取得にかかる時間や過程を十分に検討し、取得する場合はなるべく早めに行動に移しましょう。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |