増大する医療費を削減するため国は自宅で看取る在宅医療に重きを置き、それに伴い在宅医療に取り組む医療機関は徐々に増えています。ここでは、各医療施設における在宅医療や、女性医師が取り組むことで得られるメリットなどについてお伝えします。
総合診療科や家庭医研修コースを設ける総合病院において、在宅医療を担っているところがいくつかあります。
研修医に人気で実績のある病院は教育・サポート体制が整っているところが多く、カンファレンスや勉強会などで意見交換や情報共有を行う場が多々あります。そのため、未経験者が勉強し上級医のサポートのもと力をつけられる最も理想的な職場といえます。
本格的に家庭医として在宅医療に将来関わりたい人は、勉強しながら実践力をつけられるこのような総合病院や家庭医療施設をみつけるとよいでしょう。
しかし、こういった研修機関を兼ねた病院は全国的に少なく、都心部より地方に多いことや、カンファレンスや勉強会の準備など在宅医療以外の雑務が多くなるのも実情です。
在宅医療に全く携わったことがなく、コネクションがない医師は医療支援サイトを介した就活が最適でしょう。未経験者でも可能で、1日数件回るだけの比較的負担の軽い案件も少なくありません。
医師単独で現場を回るため、他医師からの教育・サポートを受けられる機会はまれですが、実践から学ぶには最適です。ある程度年次がいっている医師は一から家庭医研修コースを受けると時間がかかるため、このように実践から力をつけるもの一つです。
医療支援サイトを使用して医師募集をしているのは個人クリニックが多いため、将来的に開業をして在宅医療を行いたい医師はマネジメントを含めて情報収集をする場として活用してもよいでしょう。
優秀で経験豊富な家庭医が集まる人気のクリニックが全国に数カ所あります。こうした情報を集めるには家庭医の研修コースがある病院へ見学・研修に赴くか、プライマリケアの勉強会や集まりに参加するとよいでしょう。
個人で開業しているクリニックにおいても、在宅医療は診療点数が高いため介入する開業医が増えています。その場合、コストや人材確保が難しい点から開業医一人が在宅医療を担わざるをえないことが多いため、女医一人で開業する場合は夜間緊急対応について十分に検討する必要があります。
夜間はオンコールで看護師がまず対応して、緊急性を判断して必要に応じて医師にコールするという方法も有効ですが、子育て中の女医にとってはいつ呼び出されるかわからない夜間対応は難しく、遠出もできません。自分で開業する場合は、非常勤医師と協力して夜間や緊急対応を考えなければなりません。
ここでは、今後ニーズが高まる分野であろう在宅医療について、医療施設ごとの特徴や女性医師がどのように活躍できるかについてお伝えしました。専門科や男女を問わず、幅広い年齢層の医師が在宅医として活躍していますので、ぜひ今後の働き方の一つとして考えてみてください。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |