女医の多くが医師同士で結婚しているというデータもあるようですが、女医の割合が増えているいま、医師以外のパートナーを選ぶ人の方が多くなっている印象をうけます。ここでは、様々な医療施設で勤務した経験を交えて医師以外のパートナーと結婚するメリット・デメリットについてお伝えします。
まず、メリットは以下が上位にあげられるのではないでしょうか。
医師以外がパートナーの場合、医師という職業に畏敬の念を抱き、女医が仕事を続ける事に対して尊重してくれる性格の人が多いと思います。妻に専業主婦なってほしい願望がある男性や、女性の方が高学歴・高給であることに卑屈になる人はまず女医を結婚相手に選ばないので当たり前かもしれません。
そこで、上に挙げた、子育てのメリットと「思いやり」「優しさ」のメリットについてですが、筆者も含め周囲で医師以外のパートナーと結婚した人の夫の話を聞くと、女医の仕事を尊重してくれるので、子育てや家事などを分担してくれたり、保育園の送迎なども当たり前のこととして行ってくれる夫がほとんどです。
また、頑固で勝ち気、つい命令口調になってしまいがちな女医の特性に対しても、大きい器で包み込んでくれる忍耐強い温厚なパートナーが必然的に選ばれていると思います。
最後に、違う職業であるメリットは筆者が一番感じていることです。日中のほとんどを医療現場で過ごす女医にとって、家に帰って医療から離れた会話ができる空間はホッとできる癒しの場となります。
また、高校を卒業して特殊な医療世界でのみ生きてきた我々医師は、他職種からみれば「医療バカの非常識人」の集まりと言い換えることもできます。そのため、他職種のパートナーは未知の世界の扉を開いてくれる刺激的・魅力的な一面があります。
では、医師以外のパートナーを選ぶと生じやすい問題についてもお伝えします。
まず、金銭面と性格的な問題が挙げられるでしょう。医師以外のパートナーを選ぶ際に、女医なみに多忙なパートナーとの結婚生活はうまくいきません。そうすると、必然的に給料面からみて、男女対等もしくは女性の方が高給になりがちです。
結婚当初は二人の関係は対等でうまくいっているように見えても、徐々に男性側が家の中で肩身の狭い思いをしたり、女性が男性を尻に敷きすぎてしまうことがあります。特に、子供ができて子供>夫の優先順位になると女医の元来の頑固で勝ち気な性格が夫に対して強くでてしまうことも珍しくありません。
週に数回のバイトだけでも十分生活できる女医にとっては、離婚のハードルも低いため相手を思いやり尊重する気持ちを持てなくなれば家庭は容易に破綻してしまいます。
最後に、医師以外のパートナーにおいても夫婦双方にキャリアアップ問題が生じることがあります。医局に所属している場合は遠くの病院に派遣されることもありますが、一般的に夫が妻の都合で転職を繰り返すのは現実的ではありません。逆に、夫が転勤族だとその度に女医が転勤する必要があり、継続してキャリアを積むことが難しくなります。
ここでは、医師以外のパートナーと結婚するとどんなメリット・デメリットがあるかについてお伝えしました。メリットは何と言っても、パートナーが女医という職業を尊重してくれる点でしょう。
女医側は相手の思いやりや優しさに対して感謝を持ち、お互いが尊敬しあえる関係を継続できれば、金銭面やキャリア面のデメリットがあっても、それほど大きな問題として感じることはないと思います。
![]() |
めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |