医師全体でみると女性医師の占める割合は3割程度と少ないのですが、外科領域になるとその数は極端に減り1割程度とも言われています(第一線で活躍している女医はもっと少ないでしょう)。ここでは、男性社会で生きる外科女医ならではの現状や問題点についてお伝えします。
よくある問題としては、以下が挙げられます。
筆者は大学病院や急性期病院を含め複数の医療施設で勤務経験がありますが、外科領域で専門医取得後、子育てしながら第一線で執刀医として活躍している女医は片手で数えられるくらい少ないものでした。
仕事自体が体力的に大変なのに、周囲は男性医師ばかりで共感や理解が得られにくく、同性の相談相手が近くにいないことから、さらに心理的・精神的ストレスを抱えてしまう女医は少なくありません。
もちろん、ママ女医も参加する学会やママ会に参加すればいいのですが、子育てと仕事で精一杯でそんな時間がとれる外科医のほうが少ないでしょう。
特に大学病院以外では人員が少ないことからさらに孤独になりがちなので、医局に在籍している人は教授に掛け合って大学勤務となるよう調整してもらうとよいかもしれません。
よくある問題としては、以下が挙げられます。
内科との大きな違いは手術の有無です。手術手技は自宅で練習できないため、産休中に技術が落ちてしまい復帰に足踏みをしてしまう女医も少なくありません。
技術力キープのためには、産休からの早期復帰が鍵ですが、産休の長さは人それぞれです。長さを決める重要なファクターは夫および両親の協力があるかないかです。技術をキープするためには早期復帰が理想的であり、法律的には産婦人科の許可があれば産後6週より復帰が可能です。
しかし、産後6週から預かってくれる保育所は少ない(4月入所できなければさらに入所は厳しい)ため、両親の助けがないと厳しいのが現実です。
託児所がある施設では早期に復帰できるので、赤ちゃんの様子を見ながら早期復帰を検討するとよいでしょう。ここで重要なのは、託児所がある施設で産前から働き、産休をもらって同施設に復帰することです。
産後の就活は体力的にも大変ですし、子供のために時短勤務や当直・オンコールなしといった勤務条件を希望する場合、就活は厳しくなることを覚悟しなければなりません。
特に、外科は手術が稼ぎどころなので、執刀医として長時間手術には対応できない、夜間緊急には対応できない、といった条件では勤務先が限られてしまします。
ここでは、外科女医が直面する問題点(男性医師の中で孤独感、技術キープの難しさ)を2つお伝えしましたがいかがでしたか?次のパートでは、外科女医のスムーズな産休からの復帰方法や、長期にわたり医師として活躍できる方法についてお伝えします。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |