復帰にあたっては、子供の預け先が最優先事項です。家から近くて安い認可保育園に入園できればよいのですが、激戦区も多く、4月入園の応募に間に合わなければ院内保育を検討しなければならないことも。ここでは、院内保育園のメリット・デメリットについてお伝えします。
院内保育園のメリットは次のような点が挙げられます。
院内保育園に入園する際には、約1ヶ月前に園に入園希望の旨を伝えればよいので、出産時期によらずスムーズに復帰できるのが一番のメリットといえます。また、24時間保育に対応しているところは、当直や残業が多い外科女医にとって非常に助かります。常時保育人数が変動するので、保育士の数が多めに確保されている点も安心です。
さらに、保育園に通い出してすぐは、子供が病気になり呼び出される回数が多くなるものですが、保育園が近いので呼び出しにすぐに対応できますし、多くの園が病児保育にも対応しているのもメリットです。耳鼻科や小児科がある病院では院内受診ができて便利です。
では、次に院内保育園のデメリットを考えてみると以下の点が挙げられます。
病院が都合よく家や駅から近ければよいのですが、遠方で、しかも公共交通機関で通勤する場合、0~2歳の幼い子供を連れて毎日通勤するのは難しいと考えてよいでしょう。特に、都心部では朝の渋滞で車通勤が難しいところも少なくありませんが、公共交通機関も非常に混み合います。通勤ラッシュの中、幼い子供を連れての通勤は現実的ではありません。
次に、全て職員の子供なので子供や親のプライバシーが筒抜けであることや、保育園にまで職場の人間関係が持ち込まれる可能性があるといった点が挙げられます。また、24時間保育に対応してくれるのは助かる反面、当直やオンコール・残業にも対応できてしまうので、他の女医の目があるなか残業を断りにくくなり、子供との時間を大切にしたい女医にとってはデメリットとなってしまいます。
さらに、教育に関して力を入れている園は少ないので、習い事をさせたい親にとっては別に通わせる必要があり、送迎のシッター代や習い事代金を考えると認可外保育園と変わらない値段になってしまいます。
実際、大学や民間病院で勤務した際には、院内保育を利用している女医はちょうど半分くらいでした。
ここでは、上手に利用すれば女医の子育てサポートになってくれる院内保育園のメリットとデメリットについてお伝えしました。大切な子供の預け先となる保育園ですが、ぜひ複数の選択肢を充分に吟味して納得した場所に預けたいものです。次回は、別の選択肢として認可外保育園についてお話しますね。
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めぐみ マイナー外科7年目。5年目の海外留学時に妊娠・出産。産後6週目より仕事に復帰し、育児と仕事の両立の難しさに直面しつつ奮闘中。経験を生かし、内科・救急・健診業務なども行なっています。 |