看護師が転職を考える理由にはさまざまな事情があるかと思います。しかし、女性が主役の職場だからこそ、女性ならではの理由が多いようです。ここでは、看護師がワークライフバランスを保ちながら働き続けるにはどうすればよいのかを考えていきます。
厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査」によると看護師が仕事を辞める理由はそれぞれ異なるようです。特に多いのは、「出産・育児のため(22.1%)」次いで「結婚のため(17.7%)」となっています。この結果から看護師の退職理由はライフステージの変化によりワークライフバランスを保てなくなったことであると考えられます。
一方で、現在再就職をして看護師を続けている理由については収入を得る必要が生じた、社会にでて活躍したかったからということが理由のようです。生活をしていく上で経済的な事情をクリアするため、子育てや介護が一段落したタイミングで社会復帰への思いを叶えていく人が多いというのが実情となっています。
次に現場を離れた看護師が再就職するにあたり不安を抱く理由についてご紹介します。最も多いのが最新の看護の知識・技術に対応できるかで、33.4%にあたります。2番目が家事・子育てと両立できるかで32.6%、3番目が保育など育児支援体制の確保で10.7%でした。
この結果から、看護師を辞めている人はやはり家庭を持っていたり育児をしていたりする女性が多いということが見えてきます。そのため、ワークライフバランスは看護師として働く上で重要であると言えます。
それでは、ワークライフバランスを重視して仕事を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか。これまでの結果を基に子育てや家事との両立を不安に考えている看護師に焦点を当てご紹介します。
「厚生労働省の看護職員就業状況等実態調査」によると看護師が働く場として選択するのは、上位から病院、クリニック、保健所、介護施設となります。ここでは、看護師の免許のみで働くことのできる病院、クリニック、介護施設のワークライフバランスを見ていきます。
病院で働くことのメリットは、院内保育所がある施設が多いため子供を預ける施設を探さずにすぐに働けることでしょう。また、職員数が確保されているため、急な休みに柔軟に対応してもらえることも挙げられます。しかし一方で夜勤をしなければならない場合が多い、定時に上がることが難しいというデメリットがあります。
クリニックは、定時で上がれる場合が多い上に、医療に関わっていくことができるというメリットがあります。しかし、保育所がないこと、スタッフの人数が少なく突発的な休みに対応できないというデメリットがあります。
介護施設も定時で上がれる場合が多いというメリットがある一方、医療に携わる機会が減り医療技術が衰えてしまうデメリットがあります。また、看護師の人数配置が少ないため、急な休みに対応しづらいということもあるでしょう。施設によっては保育施設を確保していることもあるようですが、病院よりもその施設数が少ないというデメリットもあります。
看護師のワークライフバランスは施設によって大きく影響を受けることが分かりました。各施設の特徴を把握し、福利厚生など使える制度をうまく活用して自分のワークライフバランスが充実するような職場を選ぶことができればよいと思います。
![]() |
いち子 ※現役看護師として従事中のためプロフィール非公開 |