キャリアというと転職してスキルアップするというイメージがありますが、最近ではより専門性を高め、自分らしく成長していく働き方を考えるということでキャリアという言葉を使う時代になってきています。
そんな看護師のキャリアについて一緒に考えてみましょう!
最近では病院に限らず、より幅広い分野で専門的に看護師として活躍している人がいます。では、看護師のキャリアについて考える上で、重要なこととは何でしょうか。
まず、キャリアとは自分らしく成長していく中で、「看護師としてどうありたいか」「どういう看護師になりたいか」ということです。その考えは人それぞれであり、さまざまなキャリアのあり方があっていいでしょう。今後10年、20年と自分の人生設計を考える中で、看護師としての自分について考えることからスタートします。
生涯看護師を続けていくのか、結婚や出産を機に一旦離れるのか、子育てが落ち着いたら再就職するのかなど、長いスパンでの優先順位をつけることで、キャリアについて考えやすくなります。
看護師としてキャリアを積むにあたり、手っ取り早いのは転職をすることです。転職すれば一つの場所(診療科)でのスキルだけでなく、さらに幅広いスキルを身につけられるからです。
一般的に経験が最低3年~5年あれば、一通り経験を積んだという見方をされるので、転職には有利になります。
しかし、気を付けなければいけないのが、今後のキャリアの方向性などによっては経験年数などが決められているものもあり、転職するタイミングはそれぞれだということです。
たとえば、「認定・専門看護師」になる条件には、実務経験が通算5年以上(うち3年以上は認定・専門分野の実務経験)であり、「特定行為に係る看護師」の研修を受ける条件も3年~5年の実務経験が必要になります。
10年後に○○として働いていたいと考えるならば、最低5年後までには○○の資格を取って・・・と逆算して考えることが重要です。
実際のキャリアプランをご紹介していきましょう!
・あらゆる診療科が学べる救急と小児科でより幅広いスキルを身につけたいと考えるプラン。
救急外来7年→小児科3年→小児救急看護の認定取得し小児科病棟で勤務
・生命に直結する脳外科領域を学び、その後の患者さんのケアに関わっていきたいと考えるプラン。
脳外科病棟5年→回復期リハビリ病棟3年→回復期リハビリ看護師の資格取得し、病棟主任へ昇格
・発展途上国での国際協力に興味があり、国際医療を肌で感じたいというプラン。
産婦人科5年→海外での医療プロジェクトへ参加(カンボジアやミャンマーなどで活動)
・出産、子育てを通して小児領域に興味が湧き、仕事と家庭の両立を重視したプラン。
内科病棟5年→出産で退職しブランク3年→小児科クリニック3年→保育園看護師
・後輩指導や勉強会などを行うことが好きで、看護学生の教員を目指して外科内科、地域医療について幅広く学びたいというプラン。
外科病棟3年→内科病棟3年→訪問看護師3年→看護学校教員
以上のようにさまざまなキャリアがあり、他にも看護師としての働き方は可能性が広がります。
看護師としてキャリアを考えることは今後の自分の人生を考える上でも大切なことです。しかし、キャリアは人それぞれであり、転職するタイミングもさまざまです。
一番大切なのは、「自分がどういう看護師として働きたいか」ということを常に考え、経験を積んでいくことです。まずは自分らしい看護観を具体的に見つけることから始めましょう。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |