どんな仕事であれ、いろいろな人と関わっていれば誰とでもうまくいくとは限らないもの。
日々たくさんの人と関わり、チームで仕事をしていることが多い看護師。そのぶん人間関係の悩みはつきものと言っても過言ではありません。
看護師の職場で起こる人間関係の悩み、その悩みの理由についてみていきます。
社会人になると、新たな人間関係ができて世界が広がる一方で、社会人特有の人間関係の悩みというものも出てきますよね。
実際に人間関係について悩んでいる人は多く、平成24年度に行われた厚生労働省による労働者健康労働調査ではそれを裏付ける結果が出ています。
調査によると、仕事でストレスや不安・悩みを抱えている人が全体の60パーセントを超え、具体的な内容として人間関係を挙げる人が約40パーセントにもなっていたのです。
性格の不一致や仕事に対する考え方の違いなど、さまざまな要素が人間関係に影響しますが、人間関係で悩みがあると仕事の効率も下がり仕事への充実感もあまり感じられなくなってしまいます。
看護師は、看護観や知識や技術、仕事に対する考え方などが人それぞれ異なります。多様な考え方は視野が広がるメリットになりますが、そこに他職種との連携も加わると理解し合えないようなことも出てきます。
また、患者さんの命を預かる仕事のため失敗が許されませんし、仕事や時間に追わると心に余裕がなくなり周りに対する言葉や態度が厳しくなりがちです。そのようなコミュニケーションでは、人は自然と関わりを避けたくなります。
このほかにも、看護師はキャリアの積み方が多様なので上下関係が複雑です。看護師の職場は自分より年下の先輩、年上の後輩がいるということも多く、自尊心から複雑な心境になることだってあるのです。
人間関係の悩みは、徐々に主観的な印象が固定され、さらに大きな悩みとなりがちです。そうならないためには積極的にコミュニケーションをとり、自分と周りの人との人間関係について客観的に判断していくことです。
また、噂話などは鵜呑みにせず、プライベートは持ち込まないようにします。言いすぎたときはフォローを忘れず、厳しいと感じる指導は自分の成長のためと受け取りましょう。人間関係を良好に保つには、感謝と謝罪の気持ちを普段からきちんと伝えることも大切。
もちろん、仕事に対して一生懸命取り組む姿勢は基本です。周りのスタッフには悩みがあったら信頼できる仲間や上司に相談すると、自分では気づけなかったことに気づくことができます。仕事の間だけと思い切って割り切る気持ちも大切ですね。
医療業界はたくさんの人が関わる職場ですから、人間関係の悩みはつきものです。うまくいかない人とはコミュニケーションを避けてしまいがちですが、理解しあうためのチャンスでもあります。
悩みはそのままにしないで自分にあった対策をし、早めに解決しておけたらいいですね。
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misato 消化器・乳腺・甲状腺の病棟勤務を経たのち、育児のため一旦退職。現在は今までの経験を生かして医療系ライターとして活動しています。 |