社会の一員としていろいろな人と関わっていれば、人間関係の悩みはつきもの。看護師もさまざまな職種と関わりながら日々仕事をしていますから、それだけ悩むことも多くなりそうです。
そこで、今回は看護師の職場の特徴を踏まえつつ、職場でありがちな人間関係の悩みについてみていきます。
看護師が活躍する場の中でも急性期の患者さんに関わる部署では、職場の特徴から看護師の人間関係の悩みが多くなりがち。急性期の職場は重症の患者さんが多く、患者さんの状態も短時間で大きく変化します。
そのため、職場は緊張感にあふれ、看護師は患者さんのちょっとした変化を見逃さない観察力と、それに合わせたケアを行う対応力が求められます。仕事量も多いのでコミュニケーションは短時間で的確な内容を伝えなければなりません。
このような環境では、後輩の指導係や全体を把握しなければならないリーダーはついつい態度や口調が厳しくなってしまうもの。そのような環境では、後輩だけでなく周りのスタッフとの人間関係もうまく築けません。
看護師は、資格を取るまでの過程も看護師として働き始めた後のキャリアの積み方も多様です。短大を卒業してすぐ看護師として働き始める人もいれば、社会人を経験してから看護師の資格を取る人もいます。
ずっと患者さんと直接関われる職場を選ぶ人もいれば、看護師長を目指す人、看護教育の分野に進んで教育機関で仕事をするという道を選ぶ人も。看護師はこのような環境から、年齢より経験年数や積んできたキャリアで先輩後輩関係が決まります。
自分より年下なのに職場では先輩ということも稀ではありません。年下から指導されるということは、年上の自尊心もあって素直に受け入れられないこともあります。
看護師の業務は、一人休むとほかの看護師にかかる業務の負担がとても大きくなります。看護師は女性が多い職場ですから、結婚や妊娠、出産育児など女性特有の事情も関係してきます。
もし、長期休暇の取得や異動・退職、勤務時間の調整が必要となれば、休む期間や時期によっては他の看護師の負担になり、不満となって態度になって現れることも。
また、育児中の看護師は子どもの病気などを理由に休むこともあります。学校行事などで勤務を優先的に調整することになりますから、思うように休めない看護師にとってはいい印象が持てなくなってしまうことも。
その一方で、休みがちな看護師自身はスタッフの輪の中に入りにくくなることもあります。
看護師は、職場の緊張感や仕事量の多さだけでなく、突然の休みや勤務の調整などさまざまな理由から人間関係のトラブルに発展することがあります。
たくさんの人が関わる職場なので、全ての人と良好な人間関係が築けるとは限りません。ある程度は割り切って仕事に集中することが大切です。
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misato 消化器・乳腺・甲状腺の病棟勤務を経たのち、育児のため一旦退職。現在は今までの経験を生かして医療系ライターとして活動しています。 |