同じ診療科でも、地域によって病院が持つ役割・機能・患者さんの年齢層などはさまざまです。そしてその違いは、看護師が活用できるスキルにも影響してきます。
ここでは、同じ診療科でも病院の特徴によって看護師が活かせるスキルにどのような違いが出るのか、その解決法も含めてご紹介します。
病院は掲げている診療科や規模、地域の特性により、病院の役割や特徴が異なってきます。たとえば、高齢者の多い地域の病院では、一般的な疾患に加えて認知症対応の療養型病床を置いているところもあります。
また、病院によって外来や病棟の区分が異なっていることも。外科と内科のように診療科で分けているところや、臓器別で診療を行っているところがあるのです。同じ診療科であっても職場が違うと看護師の役割や仕事内容に差が出てきます。
そのため、看護師は就職先の特徴に合わせて、自分が持つスキルの中から必要なものを活用していくことになるのです。
では、実際に看護師が活用するスキルの違いについてみていきましょう。
たとえば、大学病院では点滴ルートの確保や胃チューブの挿入・抜去は医師が行っています。一方、大学病院より規模が小さい病院では、同じ診療科でも看護師が行っていることが珍しくありません。
技術的には、民間病院のように規模が小さい病院の方が活かせることが多いのです。しかし、大学病院の方が研究や委員会活動が盛んな傾向があるので、知識のスキルは大学病院の方が活かしやすいでしょう。
地域の特性からみてみると、高齢者が多く住む地域では治療目的の疾患のほか、いくつもの基礎疾患に対してケアを行うことになります。そのため、患者さんの年齢層が若い病院よりも幅広い知識と技術が必要になります。
しかし、介護が業務の中心になる職場もあるので、看護師としてのスキルが充分に活かせないこともあります。
病院の特徴や役割、そしてそこに勤務する看護師の仕事内容については、あらかじめ情報収集が可能です。しかし、就職して実際に働いてから分かることもあります。
内定後の配属先が希望の部署でなかったり、異動で離れてしまったりすることもあるでしょう。そうなると、自分が持っているスキルが充分に活かせない、学びたいスキルと違うと感じることも。
新たな学びや発見によって目標が変わることもあるため、しばらく頑張ってみるのもいいでしょう。しかし、悩んでいるままもよくありません。
自分が思い描く看護師像に近づくために思い切って転職し、そこで新たなキャリアを積んでいくのも1つの方法です。
病院の特徴によって看護師が使うスキルには違いがあります。自分のスキルが活かせないと思ったら、キャリアの積み方を見直してみましょう。自分がなりたい看護師像に近づけるために、思い切って転職するのもいいですよ。
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misato 消化器・乳腺・甲状腺の病棟勤務を経たのち、育児のため一旦退職。現在は今までの経験を生かして医療系ライターとして活動しています。 |