看護師は、患者さん命を扱う責任と、適切な治療や看護を提供できるように奮闘している毎日です。また、なかにはバーンアウト(燃え尽き症候群)になってしまうかもしれないと不安になるほど、仕事がつらいと感じている人も多いでしょう。
そのような看護師のためにどういった対策があるのかご紹介していきたいと思います。
バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、今まで普通に仕事をしていた人が突然燃え尽きたような状態に陥ることをいいます。一般的には人と接するサービスに多いといわれていますが、サービス業に対する社会の需要や負担が背景にあるのではないかとされています。
看護師も同様に人と接する仕事であり、命を扱う責任の重い仕事であることや人手不足、人間関係などの環境要因が重なってバーンアウトに陥ってしまうことがあります。
また、看護師が働く医療現場では、失敗が許されないこと、治療や看護でもできることの限界があること、自分の努力だけでは結果が出ないなどの個人的な要因も関係しています。
個人要因として、性格は真面目、完璧主義、頑固・プライドが高い、心配性などがあげられます。なかでも、ひたむきに仕事をし、深く人と関わろうという姿勢が強い人ほどバーンアウトに陥りやすいとされています。
この姿勢は、看護師にとって患者さんをみる上で大切なことだと思いますが、皮肉にもバーンアウトの要因になりうるのです。とくに、新人~若手看護師に多いとされていて、新人看護師の離職率は大きな問題となっています。
また、環境要因としてはストレスの原因でもある仕事の過重負担が一番の問題とされています。
これは単に長時間勤務やシフト勤務などの重労働だけではなく、患者さんの性格や生活背景にまで踏み込んだ関わりが必要とされるもので、そこに費やすエネルギーは計り知れないからです。
バーンアウトに陥る前にできることとは、まずはストレスをため込まないこと、仕事とプライベートに関してはきちんと分けることだとされています。
今自分ができる限界を知り、理想と現実のギャップを少なくなるようにします。また、患者さんとも一定の距離感を保ちながら、少し気を緩めてもいい場面と気を引き締める場面とのメリハリをつけることでエネルギー消耗を防ぐことができます。
定期的に気分転換やストレス発散、自分にご褒美の時間を作ることも必要です。温泉に浸かったり、アロママッサージに行ったり、リラックスできるものやカラオケのように爽快にストレス発散できるものもおすすめです。
看護師の仕事柄、バーンアウトとは常に隣り合わせの状態にありますが、うまく仕事とプライベート、自分自身を分けて考え、適度にストレス発散をすることで防ぐことができます。
どうしても、患者さんのために突っ走ってしまいがちですが、今一度自分の仕事ぶりやプライベートを振り返り、バーンアウトに陥らないように事前に対策をとっておきましょう。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |