何かとトラブルになりやすい医師と看護師。そのなかでも女性医師と看護師は同性であるがゆえのトラブルを抱えることがあります。関係性を悪化させないために、看護師が心得ておくべき付き合い方をご紹介していきましょう。
筆者が実際に体験した、女性医師とのトラブル事例を紹介します。
高圧的な女性医師がいることを理由に看護師が退職するケース
「こんなこともわからないの?」「話にならない!」など、看護師を馬鹿にしたような発言が多く、何かとトラブルに。師長と診療科部長は話し合いを何度もしたが、改善せず。元々の性格以外にも周りに男性医師しかいないため、ちやほやされながら教育を受けてきたのではないかとのことだった。
好き嫌いが激しく、ネチネチと根に持った行動が原因でインシデントとなったケース
自分より若い子が嫌いで、新人いびりをする女性医師。ある日、女性医師が嫌っていた新人看護師が患者の症状悪化の報告をするものの、無視。その結果、患者への対応が遅れてしまい、入院期間が延びてインシデント案件となった。
女性同士で起きやすいトラブルとしては、容姿や学歴、職種に対する嫉妬や偏見などから派閥ができたり、いじめ、悪口や噂話が好き、恋愛関係のもつれなどドロドロした争いが多いようです。
ただでさえ、医師と看護師では治療方針やチーム医療、連携に関する業務などで、医師の指示受けや報告の思い込みや確認不足、報告の遅れなどにより、日々衝突している傾向があります。
このことから、女性同士特有の問題と医師・看護師という職種の違いという二つの側面を持つ女性医師は、よりトラブルになりやすいことがわかります。
相手の考えや態度が変わるようにするのはなかなか難しいものです。まずは、相手の真意を汲み取れるように接することから始めましょう。たとえば、高圧的な態度や看護師に対する偏見がある場合、そこには何か理由があるのではないでしょうか?もしかしたら、過去になにかでトラブルになったとか、嫌な思いをしたことがあるかもしれません。
お互いに尖った状態ではぶつかり合って対立してしまいます。女性医師だからという先入観はなくして、日ごろからコミュニケーションを丁寧にとっていくようにします。
「お疲れさま」「ありがとうございます」などのちょっとした挨拶だけでも違うのではないでしょうか。そうすれば、同じ女性同士でもそれほどぶつかりあうことはないと考えられます。
人間関係があまりにも悪くなりそうなときは、一人で抱え込まずに看護師同士や上司と相談して対応することも必要です。
何かと同じ女性同士、医師と看護師という立場もあるためトラブルになりやすいですが、女性医師だけでなく看護師に原因があることも。
「女性医師はこういう性格」というように、先入観でみてしまっている部分があるのかもしれません。同じ医療職として同じ方向を目指して患者さんと共に上手に付き合っていきたいですね。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |