看護師として復職したいものの、一歩踏み出せずにいる看護師は多いと聞きます。その理由として挙げられることの多い、知識や技術への不安。ブランクがある中でもスムーズに復帰ができるよう、看護業界における復職支援プログラムについてご紹介します。
看護協会は都道府県ごとに再就業支援事業というものを行っています。この事業では、ブランクのある看護師や自己啓発をしたい看護師を対象としています。
研修の日数や受講可能な人数、研修内容は都道府県によって異なっていますが、おおよそ講義が中心で数日で終わるプログラムになっています。
内容としては、
などです。また、実際に医療現場で受けられる実習型のプログラムもあります。都道府県で指定された医療機関の中から選び、最短5日間から受けられます。
看護協会が行う再就業支援事業は、参加してから改めて復職を検討することができ、セミナーを実施する病院以外への就職も可能です。参加は無料なので、復職にまだ迷いがある場合でも気軽に参加できます。
先に職場を決めてしまうのは不安も大きいですが、就職先を復職支援プログラムのある求人の中から決めてしまうという方法もあります。このような場合では、入職したらまず看護倫理や接遇、基本的な看護知識・技術などの研修を受けます。
研修が終わり、配属先での業務がスタートした後も、定期的な研修に参加できる勤務が組まれていたり、個別のキャリアに合わせて実技研修が行えるよう、さまざまな取り組みがされています。
また、育児休暇からの復職支援では、育児休暇からの復帰数ヶ月前に職場からテキストを送付し、早めに配属先を知らせることで復職への準備ができるようにしているところもあります。
職場が独自に行う復職支援プログラムは、病院の特徴に合わせた研修内容になっているので業務に早く慣れることができるというメリットがあります。また、復職支援を積極的に行う職場は、ブランクのある人が安心して働ける環境を整えている傾向があります。
看護師は女性が多い職場ですから、結婚や出産などで職場を離れる人が珍しくありません。しかし、それでは人員が安定せず、看護の質が保たれにくいというデメリットがあります。
そこで、育児休暇後のサポートだけでなく、しばらく臨床を離れた潜在看護師にまた活躍してもらえるような取り組みをしている職場も多くあります。職場のホームページでは紹介されていませんが、問い合わせると個別で対応してくれるところもあります。
また、職場の見学会や看護体験会に申し込んで職場の様子を把握しつつ、復職希望者へのサポートについて相談してみるのもおすすめです。
職場の選択に迷っているようなときには、まず看護師協会が紹介する復職支援プログラムに参加してみるといいでしょう。職場が独自で復職支援プログラムを設けているところもあるので、復職支援に力を入れている病院で就職を決めてしまうのも一つの方法です。直接問い合わせれば個別に対応してくれるところもあります。
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misato 消化器・乳腺・甲状腺の病棟勤務を経たのち、育児のため一旦退職。現在は今までの経験を生かして医療系ライターとして活動しています。 |