看護師の中間管理職はなにかと悪いイメージがあるようです。給料が上がらない、仕事が増えるだけ、結婚できない...板挟みになるからやりたい人がいないことも。それでも、いいことがないわけありません。中間管理職のいい面と悪い面の両方から中間管理職の仕事内容についてまとめました。
看護師が働く職場で、まず最初に管理職になるとすれば、「主任(副主任)」や「副師長」などでしょうか。職場によって名前や仕事内容はさまざま。突然、主任に抜擢されるケースもありますが、大半は候補生として「認定看護管理者教育課程のファーストレベル ※」を修了している人などが主任や副師長になることが多いです。
また、仕事内容としては一概には言えませんが、以下のような仕事を主にしています。
簡単にいえば、師長とスタッフの間に立ち、現場で働く看護師と共に働きながら、スタッフを取りまとめている役職といったイメージ。師長よりも現場に近いというのがポイントです。
大まかな仕事内容からみても、師長と中間管理職の役割の違いがはっきりしていないことがわかります。こうした役割葛藤と呼ばれる悩みが中間管理職では多いようです。
現場のスタッフの気持ちもわからなければいけない、管理をする師長の気持ちもわからなければいけない板挟みの状態。そうした状況に自分自身が役不足であると感じたり、責任を抱え込みすぎてしまったりして体を壊してしまうケースを間近でみたこともありました。
また、中間管理職になって管理職手当がもらえるようになるのですが、その手当てはピンからキリまで。1万円~5万円くらいが相場のようですが、残業手当がつかなくなるため、実質変わらなかったという人も。そうなってくると、ただ仕事が増えるだけでは浮かばれないです。
反対に、中間管理職として働いていて、中間管理職ならではの大変さやつらさが報われるような出来事があったとき(感謝された、何か改善された)、苦難を乗り越えた達成感ややりがいを感じるそうです。
一番はスタッフの現状が良くなったことが、中間管理職にとっての嬉しさもあることがわかります。こうした中間管理職の存在意義を見出せるような場所では、今までの経験が生かせたり、前向きにとらえることができるようです。
また、転職をする際に中間管理職の経験があると、経験年数だけでなく、給与上乗せをしてくれることもあり、転職によって年収がアップしたという話も聞きます。給与の面で還元されるだけでも、気持ち的に違ってくることでしょう。
中間管理職ならではの大変さ、やりがいをみてみても、最終的にいえることは、師長やスタッフがどのような雰囲気か、役割がしっかりとわかれているか、手当てがきちんと出るかなどの環境的な面も大きいことがわかりました。
そのため、中間管理職だからといって、マイナス面だけではないということです。自分でうまく切り開いていくのが好きな人、リーダーシップを発揮したい人にはやりがいが持てる役割となることでしょう。将来的にもキャリアを積むことを考えている人は、しっかりと考えてみてもいいかもしれません。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |