看護師の仕事のなかでも大変なのは、夜勤シフトと答える人も多いのではないでしょうか。なかには、夜勤前後に仮眠をとる人、夜勤中に仮眠をとる人、まったく仮眠をとらない人(とれない人)...それぞれにお決まりのパターンがあります。しかし、よくやってしまう「休日や夜勤前後の寝だめ」は逆効果だといわれています。では、どのような睡眠に気を付けたらいいのか、ポイントを紹介します。
2交代か3交代かで、仮眠をとる時間も変わってきます。まずどちらも共通する部分。
2交代では夜間に仮眠の時間があり、1時間半〜2時間前後設けられていることでしょう。実際には忙しくて時間が取れないという人も多く、時間が取れても1時間では眠れない、30分くらいしか横になってないという人もいます。そのため、夜勤前後に仮眠をとっている人が多い印象があります。
3交代の場合、準夜勤ではそれほど夜勤前後に仮眠をとることは内容です。朝少しゆっくり起きる、翌日ゆっくり寝るといった状況。深夜勤では、昼間に仮眠をとるという人が多く、なかには日勤深夜の合間に2時間くらいとる人もいます。
人それぞれお決まりのパターンがありますが、大きく分けると昼間に仮眠をとる人と、普段の睡眠を長めにとる人の2パターンであることがわかります。
本来の睡眠時間(夜の7時間前後)以外の時間に睡眠をとる「寝だめ」は、足りない分を補うという面では、一見合理的なようにも思えますが、サーカディアンリズム(概日リズム)には反していることになります。体は日中の活動時間帯に体温や血圧などが上昇し、夜には下がるというサイクルがあ り、夜間が疲労回復に適した環境であることには変わりありません。
日中に睡眠をとることは、疲労回復に適していない環境のため、昼間の3時間睡眠は夜勤中に1時間睡眠と同等という日本看護協会の資料もあります。しかし、夜勤で仮眠を取れない状況の人にとっては、厳しいものがあります。
一番は寝だめよりも、夜勤中に2時間の睡眠をとることが一番効果があるといわれていますが、それでも夜勤中に仮眠が取れない場合には、夜勤明けなどで調整するしかありません。なるべくなら、サーカディアンリズムに沿って、体温の低い午前中に90分〜2時間程度の仮眠をとる方が効果的だと考えます。
ノンレム睡眠・レム睡眠などの睡眠サイクルは90分といわれていますが、睡眠の準備や覚醒する時間を合わせると2時間くらいがベストです。それ以上の睡眠は、サーカディアンリズムの乱れとなり、余計に体がだるくなったり、夜に眠れなくなったりします。看護師の皆さんもよく実感している人も多いのではないでしょうか。
看護師として働くなかで睡眠がしっかりと取れているかは大事なことであり、看護の質低下を防ぎます。また、業務がスムーズに行くだけではなく、看護師自身の心身にも影響してくるのではないでしょうか。忙しく大変なことも多い夜勤ですが、短い時間でも効率的に睡眠をとり、疲労回復に努めてほしいです。
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |