看護師として働いている人で妊娠した場合、流産してしまったとか、切迫で安静のために入院したという話をよく聞きます。人手不足や業務特徴などから、妊娠をしても今まで通りに働かなくてはならない現状があるようです。こうした現状でも自分にできる対処法にはどのようなものがあるのかまとめてみました。
つわりがあると食事介助や排泄処理がつらい
まず、妊娠初期のつわりです。特に看護師は食事の配膳や介助の仕事が多く、ときには排泄処理なども行います。においに敏感になる人にとっては、この上なくつらいものかと思います。食欲がなく、必要な栄養が取れていないと、勤務中に貧血などを起こしてしまうということも考えられます。
夜勤などの不規則勤務
妊娠発覚してから夜勤免除になるまでの期間は病院などによって違います。産休直前まで夜勤をやっていたという話もよく耳にします。こうした不規則な勤務ではホルモンバランスや自律神経の不調などさまざまな部分で症状が現れることでしょう。
立ち仕事、力仕事
基本的に病院勤務などでは立ち仕事が多いです。また、重症度や介護度が高い部署では移動介助などの力仕事も頻繁にあります。そうした場面はスタッフ間で声掛けをしながら、調整していくことが多いですが、なかには人手不足からそうも言っていられない場面も見かけます。
自分にできることとできないことをまわりにも明確にする
一番は今の自分の状態を上司や周りに伝え、相談することです。妊娠経験がない人からすると、妊娠中にどういったことがつらいのかはわかりません。そのため、業務のこの部分ができない、この部分ならできるとはっきりと伝えた方がいいです。そして、必ずしわ寄せが来てしまったスタッフに対しては感謝をすることが大事。自分の主張だけ伝えればいいというわけではないです。
まわりの協力が得られない場合には異動や転職も検討する
人間関係が比較的良好でまともな職場であれば、まわりのサポートも得られ特に問題ないと思いますが、そうではない場合。一番は自分と赤ちゃんを大事にしてください。夜勤や力仕事がない部署(外来、処置室など)へ異動希望を伝える、もしくは転職することも視野に入れます。
しかし、問題なのは、産休前に退職してしまうと、産休中の手当ては出ませんし、妊娠中の新しい職場探しはかなり狭き門です。そのため、ある程度夫の稼ぎがあって、一時的に専業主婦になっても問題の場合に限りできる選択肢かもしれません。
もし妊娠したときには...と不安になることも多いはず。しかし、自分や赤ちゃんのことを守れるのは自分自身です。一番は無理をしないこと、妊娠中の職場の対応で本性がわかる部分も多いので、今後子育てのことも考えて、いい見極め時期にできるといいですね。
![]() |
ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |