日本の看護師の資格は免許更新制ではないため、一度看護師を辞めてもまた看護師をすることができます。そのため、最近ではさまざまな復職支援がありますが、ブランク1年と10年とではかなり差があると思いませんか?ここでは、10年以上の長いブランクがあっても復職できる場所はあるのかについて紹介します。
医療の現場は日々進歩とはいいますが、1年の産休育休明けで仕事復帰する際にも、なかなか感覚を取り戻すのに苦労がいる話を聞きます。そんななかで10年のブランクというのは、かなり大きな進化があることを覚えておいてほしいです。
その進化の一つとして、昔の常識はいまの非常識であること。たとえば、傷には消毒液をかけてガーゼで保護するのは、10年以上前では一般的でした。しかし、いまは、消毒液によって皮膚に必要な常在菌までも死滅させてしまい、傷の治りを遅らせるとして、むやみに消毒薬は使用しません。傷の保護も湿潤療法でドレッシング材などを使用して行います。
こうした医療の常識は数年単位でどんどん変わっていき、医療機器や器具なども新しいものが増えていきます。10年前までに看護師歴がそこそこあっても、その知識がすべて活用できるかといわれると、そうではないということです。
10年現場から離れていると、現場ではさまざまな変化が起こることがわかりました。そのため、看護師としては新人のような気持ちで、努力する必要があります。知識として解剖整理や疾患ごとの看護などの勉強をすることはもちろんですが、手技なども練習して覚えていくなどです。いまでは復職支援に力を入れている施設やセミナーなどたくさんあります。
また、「もう歳だから」と言い訳にするのではなく、時間はかかっても努力していく必要はあります。看護師の資格は更新制ではないといっても、生身の人間を相手にするため、「ブランク」は言い訳になりません。厳しい話ではありますが、ここは踏ん張りどころです。
10年以上のブランクがあっても、しっかり準備期間を得れば病院でも施設でも復帰は可能です。しかし、なるべくギャップが少なく、馴染みやすいところはどこかという点で以下をおすすめします。
デイサービス、老人ホーム
医療処置が少なく、比較的ゆったりと働けるのがポイントです。看護師一人体制だと不安はありますが、二人体制以上のところもあるので、相談しながら復帰することができます。
外来、クリニック、健診業務
医療処置が多いところもありますが、診療科によっては医療処置が少ないところもあります。(皮膚科や精神科など)マニュアル通りに動くことが多く、病院のように臨機応変に動く機会は少ないです。
どちらもブランクでもOKとしているところや、ブランクありだった人が復帰したことがあるなどの実績があると安心です。
看護師10年以上のブランクがあるからといって、復職を諦めてしまったらもったいないです。復職支援も国で力を入れているため、自分のペースに合わせて戻れる場所を探せるといいですね!
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ゆみかおる 看護師10年目。小児科、整形外科病棟での経験あり。現在はフリーランスとして、クリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。 |