人は経験や能力だけで評価されるわけではありません。第一印象がよいと、その後の言動も好意的に受け取られることが、心理学でも証明されています。看護師が転職の面接に挑む際、気をつけたい3つのポイントをまとめました。
面接でよい第一印象を持ってもらうためには、身だしなみが大切です。
まず服装ですが、基本はスーツです。スーツがない場合はジャケットを着用し、ブラウスは白が無難です。派手な服装、カジュアルすぎる服装、短すぎるスカートは避けましょう。
次に髪型やメイクですが、清潔な印象を心がけ、長い髪はまとめるなど工夫が必要です。染めた髪は元に戻すか黒に染めなおします。自然なメイクを心がけ、香水はつけないか控えめにします。
アクセサリーは、ピアス、ブレスレットはNGです。ネイルも避けましょう。ネックレスはシンプルで目立たないものを身につけます。腕時計、バッグ・小物類は、シンプルなデザインで目立たない色のものを選びます。バッグは床に置いて自立するものがよいでしょう。
靴はミュールやサンダル、ヒールの高いもの、派手なものは避け、落ち着いた色のパンプスなどを選びます。
身だしなみの他にも、社会人として必要最低限のマナーは押さえておきましょう。面接会場のドアのノックから入室、一礼の仕方、歩き方、着席の仕方など基本を確認し、普段より丁寧に行いましょう。話し方と姿勢も大事です。落ち着いて、ゆっくり、はっきりと話すよう心がけ、背筋を伸ばして、適度に笑顔を見せるなど、暗い印象や疲れている表情にならないようにします。
面接ではよく聞かれる質問があり、それに対する答えは前もって準備しておきましょう。
まず、どの面接でも聞かれる項目に「志望理由」があります。自分の長所、経験やスキルがこの職場でなら十分生かせることを具体的に述べます。その施設の経営理念や方針、規模、沿革、特徴などをまじえて話すと、印象がよくなります。
前職の「退職理由」もよく聞かれます。マイナスの理由、たとえば「人間関係が悪かった」「給与が低かった」などは話さないようにします。「経験やスキルをもっと生かせる場を求めている」「正当に評価されるところで働きたい」など、前向きに語るようにしましょう。
自分の「長所と短所」について質問された場合は、長所については仕事内容に関連付けてアピールし、短所は裏返して長所として語ります。例えば「心配性なので、丁寧に確認してミスを防ぎます」などと答えると前向きな答えになります。
看護師の転職では「看護観や看護師にとって大事だと思うものは?」という質問もよく取り上げられます。患者さんとのふれあいや、病状が改善したときの喜びなどに関連させて具体的に語りましょう。
面接の最後に「何かご質問は?」と逆質問を振られることがあります。そんなとき、「特にありません」で終わってしまうと、なんとなくやる気が感じられず、マイナスの印象になりかねません。何か一つぐらいは質問をして、自己アピールの総仕上げをしましょう。
好印象につながる逆質問としては、「今回求められている人材像」「施設が大切にしている制度や医療理念」を尋ねる、というものがあります。あるいは、その病院の看護師がてきぱきと仕事をしている姿など、目にした光景を話題にし「どのような研修制度がありますか?」と質問するのもいいでしょう。そして、自分の希望に合っている、あるいは長所や経験が生かせるなどとアピールすると好印象につながります。
逆質問のよくない例は、「ボーナスは出ますか」「有給休暇は何日ありますか」といった求人票に書いてあることを尋ねるのは避けましょう。また、お金や休みを優先しているようであまり好感をもたれません。
面接は自分の能力や経験、やる気をアピールする場、そしてその施設の方針や労働環境をよく理解し、双方の利害が一致するかを見定める場と心得ましょう。
服装は清潔感を重視し、社会人としてのマナーを押さえておきましょう。求人先の情報はできるだけ集め、目を通しておきます。よく聞かれる質問や逆質問にはあらかじめ答えを用意し、余裕を持って対応できるようにしておくことが大切です。面接は、双方の相性とメリットをすり合わせ、見極める場所です。自分の個性とやる気を十分にアピールして、転職を成功させましょう。