世界でも有数の長寿国、日本では認知症の介護は多くの家庭で必須の問題です。認知症患者の数は全国推定で462万人、2025年にはその数は700万人前後まで増えると予想されています。
仕事をこなしながらの介護は大変ですが、ここでは認知症の家族の介護をするにあたって気をつけなければならないポイントを紹介します。
認知症介護の大原則は「一人で悩まない」ということです。一人だけで介護に没頭していると気持ちにゆとりがなくなり、悲観的になりがちです。息抜きも兼ねて同じ介護をしている仲間を見つけて情報交換や家族や親族に助けを求めることも大切になります。
仕事をしながらの認知症介護は一人では出来ないものだと悟ることです。そして出来るだけ早く最寄りの地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターではケアマネージャーが最適の介護プランを立ててくれますので、仕事と介護を無理なく両立させることができます。
認知症の高齢者は食事に気をつけてあげることの一つです。栄養のバランスがよく、しかも食べやすいものを工夫してあげましょう。ご飯はおかゆが一番です。
また、ヨーグルトやミキサーにかけた缶詰の桃、ポタージュスープなども食べやすく喉ごしがいいのでオススメです。逆に食べにくいのが硬い生野菜や繊維の多い野菜類です。こんにゃくやハム、かまぼこも噛みにくいのでやめた方がいいでしょう。
チャーハンもパラパラしていて食べにくいという難点があります。ゼリーなどのゼラチン類も一見喉ごしが良さそうですが、食べにくいという難点があります。
認知症になったからといって本人が精神的にまるで訳がわからなくなったというわけではありません。介護に疲れているからといって邪険にするのは絶対にNGです。
食事の時も出来るだけ一緒に食べるようにして、「それ、美味しい?」「ちょっと味付けが濃かったかしら」などと話しかけてあげるようにします。テレビを観るときもボリュームをあまり高くしないように注意し、番組を観ながらできるだけ話しかけるようにします。
手をさすってあげるなど出来るだけスキンシップを取ることが重要です。着替えなどで本人が自発的に出来ることはやってもらい、必要以上に過保護にならないことです。
介護は避けて通れない問題です。全部一人でこなすのは無理と割り切り、認知症と診断された時点でケアマネージャーに早めに相談してください。デイケアなどのサービスは極力活用するといいでしょう。
神経質になったり落ち込んだりすると患者にも悪影響を与えてしまうので、「これも人生の一段階」と割り切ることが大切です。
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桜井あかね 福島県在住。ジャンルを問わず様々な記事を書いております。 |