自分が良く知っている世界のことが舞台になっていたら、ドラマや小説もより面白く感じるものですよね。普段医療現場で働いているからこそ楽しめるのが、病院などの医療をテーマにした小説かもしれません。
いつもとは少し違った視点で、こんな小説を楽しんでみてはいかがでしょう?
山崎豊子氏の美しい日本語で紡がれる、医療現場を舞台にした人間ドラマの傑作。国立大学医学部の教授選を巡り、医師たちが熾烈な戦いを繰り広げる様子は、テレビドラマでも人気のシリーズになっています。
有名すぎる感はありますが、まだ読んでいないという人は、一度手に取ってみることをおすすめします。
「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。人気ミステリー作家、東野圭吾氏による医療ミステリーですが、謎解きよりも人間の心情に重きを置いた作品です。
大病院を襲う前代未聞の危機とは?脅迫犯の真の目的とは?一度読み始めたら、止まらなくなってしまうかもしれませんよ。
「チーム・バチスタの栄光」の著者であり、医師、医学博士でもある海棠尊氏の短編集。ほろ苦いユーモアにあふれた、5本の短編を楽しめます。
「私は愛国者なので日本にワクチンを打っておきたいと考えている。この短編集もそんなワクチンの一冊である。ここに書かれた物語はフィクションだが絵空事ではない。そう思って心して読んでほしい。」という、作者のあとがきは、現場で働くスタッフにとっては気になりすぎの言葉です。
将来日本の医療が、タイトル作のようになりませんようにと祈るばかりです。
現役精神科医が書いた、山本周五郎賞受賞作品。閉じられた精神科病棟で起きた、悲しい事件とは?
淡々とした語り口の中に、優しさがあふれる文章は、多くの人の感動を呼んでいます。
櫻井翔さんと宮崎あおいさんが夫婦役を演じた映画の原作です。信州の小さな病院で働く内科医、栗原一止が向き合うのは、常に医師が不足していて、まともに寝る暇もなく、愛する妻と過ごす時間すら取れない現実。
そんな中、母校の医局から誘いの声がかかるが、迷った栗原が出した答えは...。彼の優しい人柄と、その中にある一本筋の通った強さに、医者ってなんだろう?と考えてしまいます。
ここで紹介した他にも、話題の医療ミステリーや医療の現場を描いた感動作などがたくさんありますので、書店や図書館で手にとってみて下さいね。
ただし、読むのが止まらなくて寝不足に、なんてことのないようご注意しましょう。
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加賀 里奈 食べ歩きやインテリアに興味がある、キャリア4年の副業ライターです。札幌市在住で、某医療施設に勤務しています。現在、東京オリンピックに向けて英語を猛勉強中です。 |