仕事に慣れ、将来なりたい自分像もわかってくると、「現状のままでは望む自分に近づくことは難しいかもしれない...。」と感じることも。環境によって身に付くスキルや能力は違い、それは今後のキャリアプランに大きな影響を与えます。
この記事では、将来の自分像と現状の職場でのキャリアプランのギャップに不安を持つ人におすすめの転職先についてお伝えします。
今の環境がキャリア形成に不足している部分と充足している部分と洗い出してみましょう。どんな環境であっても、日々経験を積むことで知識は増えていきます。ですから、キャリアを積むことができないということはありません。
キャリア形成に対する不足と充足が整理されることによって、漠然とした「今が足りないから転職したい」から「自分のキャリア育成のためにはこの部分を補いたいから、こういうところに転職したい」と転職の意図がはっきりします。
むやみに転職しても自分が本当に望んでいるキャリアを達成することはできません。遠回りでも転職の目的を明確にしましょう。
転職の目的が明確になったら、次はその目的を果たせそうな環境を探します。
たとえば、「かかりつけ薬剤師を目指して患者さんともっと深く関わることのできる環境が欲しい」という場合は、かかりつけ薬剤師制度を導入している調剤薬局を探します。
「病院薬剤師として管理職を見据え専門性を究めたい」ということであれば、大規模な総合病院に入職することが効果的。大規模病院は業務の幅も広いので、病院薬剤師としてさまざまな経験を得ることができます。
しかし、一般的には正社員として入職することは困難という現実も。その場合はキャリア形成を前提として、一時的にパートやアルバイト職員として働くことも視野に入れても良いでしょう。
レアなケースではありますが、製薬メーカーや研究職を選択するという方法もあります。製薬メーカーでは医薬品の製造者として品質管理や製造管理、治験や開発などのスキルや知識を身に付けることができます。それにより、マネージメント能力だけでなくスケジュール管理能力やコミュニケーション能力も磨くことができます。
研究職は、大学やメーカーの研究室などに所属して、実験や論文の読み書きなどを業務とします。科学的な知識はもちろん外国語の能力も必須となりますから、専門知識だけでなくアカデミックな語学力を向上させることも可能です。
これらのレアケースでは、病院や調剤薬局、ドラッグストアなどでは得られないキャリア育成を期待できます。
一般的に、これらの職種の求人は中途採用よりも新卒採用に比重が大きく、転職市場に案件が中々出てきません。経験を積む中でこのような職種に興味を持った場合は、転職サイトやエージェントを積極的に活用することが必須です。
望むキャリアデザインによって選択すべき環境は全然違います。まずは、自分が将来どんなキャリアを作っていきたいのかを明確にしましょう。
また、年収など勤務条件は自分で調べることは限界があるので、転職エージェントに登録して情報収集、交渉などを任せても良いでしょう。
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さゆみ 薬剤師ライター。病院での薬剤師としての勤務を経験後、現在は、管理部門で医薬品や化粧品、サプリメントなどヘルスケア全般に関する業務に従事。現場と管理部門での両方の業務で得た知識をもとに、健康や美容に関するライターとしても活動中。 |