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丈子さん(30代後半/福岡県/薬剤師歴5年) |
実務実習で行なった調剤薬局での仕事が自分に合っていると感じた事や、親戚に調剤薬局勤務の薬剤師がおり業務内容の想像が付きやすかった事、病院勤務よりも給与が良く休日が定期的にある事などが理由です。
門前の大規模薬局や企業、病院などにくらべ、より長いスパンで地域や患者さまの日々の生活に密着している薬局が多い事が魅力だと思います。
そのため、しっかりと日々仕事をこなし患者さまの信頼を得る事ができた後は、ちょっとした体調不良の相談に気軽に薬局に来ていただけたり、ご家族の体調の相談や遠方のご親族の介護の悩みなど、患者さまの生活により深く根差した域で、職能を発揮するために努力する事ができます。
住宅街などの生活圏に根差した立地の調剤薬局ならではの魅力だと思います。
薬剤師の考える「患者様の疑問に思うであろう事」と実際の患者さまの「知りたい事・解決したい悩み」には少しズレがある、と感じる事が多々あります。そのため、専門バカになって視野の狭い思考をする事が無い様に気をつけています。
患者さまのはっきりとしない不安や心配を、できるだけ汲み上げ、傾聴し、その上で薬学の観点から指摘すべき事は指摘し、ご説明するように心掛けています。
普段は行かないチェーン店舗に勤務の日に、他の薬局で定期薬をもらわれている年配の患者様が、TVの健康番組をご覧になってご自分の症状は薬剤の副作用ではないかと思われて薬局に来られた事がありました。
薬剤の副作用と思い込んでおられたので、重要な薬を自己判断で服用中止しておられそのまま翌日から長期の旅行に行かれるとの事。
毎日飲む必要のある薬は置いていくと強くおっしゃるので、処方内容や症状などを確認し、丁寧に副作用とは考え難い事を説明し、服薬の継続を勧め、取りあえず納得していただきました。
患者様の相談内容を処方医にもフィードバックし、そのままその患者様は処方医にも相談に行かれたとの事で、その日の勤務を終えました。
後日、チェーン店舗勤務の同僚から、当の患者様から「あの日の薬剤師の対応がとてもよかった」と礼を伝えて欲しいと言付かったと聞き、とても嬉しかった事があります。
少し対応の難しい患者さまに、喜んでいただけるような対応が出来たときはとてもやりがいを感じます。
かかりつけ薬剤師制度は、小規模の町中の調剤薬局の薬剤師にとっては大きなチャンスや患者さまに自身の強みをアピールするよい機会だと思っています。
普段あまり生活の状況などを聞きだせずにいる患者さまや、年配の患者さまの服薬状況などこの制度をきっかけにして、少し切り込みやすくなるのではないでしょうか。
一包化の提案や、デイケア時や独居となる時間の服薬についてなど、ご提案出来る事はたくさんあるだろうと考えています。
長年の趣味でイラストを描いていたので、そのイラストを使ったレザーバッグや文房具などを友人の雑貨店で販売しています。
また、もともと本を読む事や文章を書く事が得意な方でしたのでフルタイムでの勤務ではなくなった頃から、インターネットのクラウドソーシングを利用して医療系などのライティングの副業をしています。
始めた理由は、不定期な勤務になった事で週によって空き時間が思ったよりもできてしまった事や、そのころから中医学や漢方のセミナーの為に他県まで出かける事が多くなり、出費が増えた事などからです。
副業は定期的に仕事があるわけでは無く、納期や依頼が重なる事もあれば、何もない週が続く事もあります。
依頼がある場合にはできるかぎり多くの依頼を受けたいのが本音なのですが、研修会やセミナー、店舗のヘルプの依頼など、薬剤師としてのスキルアップのための時間はそちらを優先してスケジュールを立てる事にしています。
このまま研鑽を続け、働ける限りずっと薬剤師として仕事を続けていく事が目標です。一人でも多くの患者さまに自分のいる薬局に来て良かった、と思ってもらえるよう努力を続けたいと思っています。
丈子さん、どうも有難うございました!