患者さんに一番近い薬の専門家として働く薬剤師。毎日、多くの患者さんと接する中で、患者さんに信頼されていることには満足しているが、仕事の効率を上げることにより仕事量をなるべく圧縮したいですよね。
この記事ではただでさえ多い仕事をどうすれば効率よく回していけるのか、院内薬局、調剤薬局、ドラッグストアで働く薬剤師からの目線で見た効率化のポイントについてお伝えします。
24時間365日稼働している病院内の薬局では、「後で」や「見直す」は難しく、発生した仕事をその場で完結させていくことが大切です。
院内薬局は取り扱う薬や衛生材料や処方医は院内に限定されていますから、問い合わせ件数を減らすためによくある照会事項は予め院内承認を受けておいたり、約束処方を内規で決めておくと良いでしょう。
また、毎日の申し送りとは別に日頃から薬剤師同士で業務についてアイデアを出し合う時間を持ちましょう。意見を出し合うことによってやる必要のない作業がわかったり、薬剤師同士の思い違いを修正できたりして、より業務をスリム化し効率化につなげることができます。
複数の薬剤師が勤務している調剤薬局では、薬剤師が協力して業務を行うことが効率化の鍵になります。
など、薬剤師同志で話し合い、日頃の業務の中でありがちな作業は準備をしておいたり、新薬の勉強会やメーカー主催の勉強会などに誰かが参加して、後日局内で伝達するなど薬に関する情報の収集も効率化することができます。
毎日、ただ漠然と仕事を片づけるのではなく、お互いが協力して予め準備をしておくことで受付作業や調剤業務が効率化できますし、患者さんが集中しても素早く対応することが可能になり、待ち時間の短縮につながります。
薬剤師の数が少ないのでパートやアルバイトの社員さんの活用が鍵になります。ドラッグストアでは毎日一緒に働くメンバーが違ったり、一日のうちでも働く人の入れ替わりが激しかったりします。
業務を出来るだけ簡潔かつマニュアル化して、誰でも直ぐにできるようにする工夫が必要です。仕事上お客さんからよくある質問をまとめて回答を作っておく、必要な物品の置き場を決めておくなど業務に関連することをシステム化しておくことも有効でしょう。
薬剤師は社会の中で働く環境が比較的広く用意されている職種です。それぞれ環境は違っても薬剤師の第一の目的は「薬の専門家として患者さんのお役に立つこと」でしょう。
薬剤師の仕事は手の抜けないことも多数ありますが、工夫次第では、業務を効率化して時間を捻出することも可能です。業務を効率化し、患者さんと少しでも長く深く関わることを心がけたいですね。
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さゆみ 薬剤師ライター。病院での薬剤師としての勤務を経験後、現在は、管理部門で医薬品や化粧品、サプリメントなどヘルスケア全般に関する業務に従事。現場と管理部門での両方の業務で得た知識をもとに、健康や美容に関するライターとしても活動中。 |