時に患者さんの命まで奪ってしまう調剤ミス。起こしたいと思って起こす人はいませんよね。そんな調剤ミスを防ぐためには、職場内の連携がカギになることもあります。
今回は調剤ミスを防ぐ、という観点から人間関係を見ていきましょう。
何事もあいさつが基本、とはよく言われます。体育会系な印象もありますが、実際のところあいさつをすることでコミュニケーションが円滑に進みます。
私も「その日の引継ぎを受けた後、他の薬剤師にもあいさつに回ったところ思い出したように伝えられた内容によってクレームにならずに済んだ」という経験があります。
この場合は会計に関する件でしたので、クレームになったとしても直接命に関わるようなことはなかったでしょう。
しかし、あいさつによって必ず顔を合わせることを習慣化することで引継ぎ漏れを減らすことができます。また、他職種へも積極的にあいさつを行うことで万一ミスをしてしまっても対処しやすくなりますよ。
小さくともミスをして先輩や同僚、他職種スタッフにフォローしてもらう機会はありますよね。
このような時、仲の良し悪しに関わらず決して忘れてはならないのがお礼。まさにその瞬間で言うタイミングを逃してしまったとしても、改めて必ずお礼だけは伝えましょう。
どうしてもタイミングがつかめない場合は書置きでもOKですが、うやむやにしてしまうのだけはNG。
特に女社会になりやすい調剤薬局では、そのような礼儀は重要視されます。コミュニケーションが苦手だと思っていても、フォロー後のお礼だけは円滑な人間関係のために必ず抑えておきたいポイントです。
女の勘に負けず劣らずよく当たるのがプロの勘。はっきりと原因が分からなくても違和感があれば必ず同僚や上司と共有するようにしましょう。「何もなければそっちのほうがいい」という心構えで相談を。
また、同じように同僚が違和感を訴えたら面倒くさがらずに、丁寧に原因を追究します。職場内全体が「気のせいかもしれないんだけど...」と相談しあえる環境になるのが理想的ですね。
違和感を大切にし、共有することで調剤ミスは減らせますし、原因追究をするたびに勉強にもなります。
もし、自分の違和感が本当に処方間違いなどに起因するものであれば、プロとしての自信もつくことでしょう。
薬剤師として細心の注意を払うべき調剤ミスですが、個人の努力と職場内の連携によってかなり防止することができます。
防止方法の基本であるダブルチェックに加えて、今回紹介したようなポイントにも気をつけてみてはいかがでしょうか。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |