服薬指導やOTC薬の商品提案ではコミュニケーション力が問われます。医薬品の情報提供は薬剤師としての義務ですが、できれば患者さんに満足して帰ってもらいたいですよね。患者さんと会話をするのは苦手だから、と諦めていませんか?今回は患者さんの満足度を上げるテクニックをご紹介。
コミュニケーションをもっと上手にとりたい、という気持ちはとても重要です。得意になって専門用語ばかり並べてしまう人は、患者さんの気持ちが分からずに一方通行になってしまいがちですのでプロとは言い難いですよね。
しかし薬に関する説明は専門用語が非常に多く、難しいこともまた事実。そのような難しいことを理解した上で、素人にも分かるように説明できる人がプロといえるでしょう。
1つ目のテクニックは、子どもでも理解できるような言葉で説明できるように普段から練習しておくこと。咄嗟に対応できるようになるのに加えて、自分の理解も深まるので薬剤師としての根本的なレベルが上がりますよ。
相手を褒めることはコミュニケーションを円滑にすすめるのに非常に高い効果を発揮します。これは服薬指導にも当てはまると思いませんか?というわけで、2つ目のテクニックは褒めること。
例えば、患者さんが持っているキーホルダーなどの小物を褒めるということでも、コミュニケーションのきっかけになります。また、もしお薬手帳に患者さん自身が何か書き込みをしているのであれば、そうした行動を褒めることでコンプライアンスの向上にもつながります。
これまで私が患者さんとお話した感触として、私たち薬剤師が薬について褒めることは、より効果が高いようです。もちろんやたらと褒めるのではなく、一言添える程度が自然に聞こえますよ。
3つ目のテクニックは聞き上手になること。たくさんの情報を一方的に提供してしまうと、患者さんは話が長すぎて飽きてしまったり、理解できずにイライラしてしまったりすることも。
丁寧に話すほどイライラされてしまっては、自信もなくなりますよね。また、中には話をじっくり聞けるほど時間はとれない方もいるため、薬剤師として絶対に伝えたい数点に絞って説明するようにしましょう。
実はたくさんの情報提供をするより、質問にきちんと答える方が満足感が高いと言われています。服薬指導に苦手意識があると余計に、全てを説明しなければと思いがちですが、服薬指導の多くを患者さんの質問に答える時間に充てることで満足度も上がるはずです。
紹介したうちの1つ目、2つ目のテクニックは今日からでも実践できますね。3つ目は、どの説明を省いていいか、質問に答える知識はあるかなど、少し難しい場合もあります。
しかし、3つのテクニックを使いこなせれば、かなりの服薬指導上級者。コミュニケーションは実践あるのみですので、恐がらずに取り組みましょう。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |