一人薬剤師にはどのようなイメージがありますか?バリバリと全てを一人でこなす、深夜など特殊な時間帯の勤務、基本はOTC医薬品の相談受付や商品提案のみ、などいろいろありますね。責任を持って業務に取り組むイメージに、憧れている人もいるのではないでしょうか。
そんな一人薬剤師のメリット・デメリットや、経験することで身につくスキルなどを考えてみましょう。
薬剤師としての知識、調剤スキルも身につき、薬局の仕事の流れがほとんどわかる、というレベルになれば一人薬剤師も可能です。とはいえ、ひと口に一人薬剤師と言っても店舗によって環境は大きく異なりますよね。
薬剤師は一人でも調剤事務さんがいて業務的な負担がかなり軽い店舗から、入力から調剤、OTC相談まで全て一人で行う店舗まで、本当に多種多様です。
ただ、必ず共通しているのが当然ですが薬剤師は一人だけということ。もし現在の仕事で最も嫌だと思う部分が薬剤師同士の人間関係なら、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
薬剤師には生涯研鑽を積む義務があります。研修認定薬剤師などで知識を深める人も多いですが、総合力を高めたいなら一人薬剤師は並大抵な研修などとは比べ物にならないほどおすすめ。
知識や調剤スキルだけでなく、問題の解決能力が飛躍的にはアップします。最近知識レベルが停滞しているがもっと薬剤師として向上したい、と感じている人には特に向いています。
問題解決能力が高ければいざ、というときに動ける薬剤師になれること間違いなしです。修行を積むようなつもりで数年間一人薬剤師を経験すれば、その実践経験が後々大きな財産になるでしょう。
さまざまなメリットのある一人薬剤師ですが、向かない人ももちろんいます。
例えば不測の事態が苦手で、予想以上の仕事量やクレームが重なると軽いパニック状態になってしまう、その日1日失敗を引きずってしまうという自覚がある人は、慣れるまでにかなり苦労する可能性が高いでしょう。
また、小さな子どもがいて急な欠勤が入る可能性がある、長時間トイレ休憩を我慢できない人などは一人薬剤師に向きません。
このように知識やスキルは十分でも、一人薬剤師になるとその力を十分に発揮できなくなってしまう人もいます。苦手を克服しなければならない学生の勉強と違って、仕事では得意な部分を伸ばす選択肢があります。一人薬剤師を行う上で非常に不得手な部分があるのであれば、無理せずに別の道を模索しましょう。言うまでもなく、全ての職場で一人薬剤師が求められている訳ではありません。
人間関係に疲れて転職を考えはじめると、処方せんを次々にさばく一人薬剤師への憧れも出てきますよね。知識、スキルのステップアップにもとても良い環境です。
しかし、一人薬剤師に合わない場合や毎日激務の店舗もありますので、もしこれから転職を考えるならメリット・デメリットを見極めたうえで検討することをおすすめします。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |