日々の業務をこなす中で、薬剤師としてのテクニカルなスキルが身に付く一方で、「業務の専門的なスキルアップだけでよいのだろうか?」と自分の能力開発に疑問を抱えている人もいます。
この記事では、薬剤師に必要な3つのテクニカルスキル以外のスキル(ノンテクニカルスキル)とその活用法についてお伝えします。
マネジメントとは単に組織や業務を単体で管理するだけではなく、ヒト・モノ・資金・情報など薬局や店舗が今既に持っている資産を活用して、薬局や店舗が目指す目標に近づけるための考え方です。薬剤師は単独で活動することはなく、病院、調剤薬局、ドラッグストアなど組織の中で働くことがほとんどです。
今は管理をする立場にはなくても、いずれ管理薬剤師や薬局長になることもありますし、日頃からマネジメントの考え方を持って業務を行うことは、ルーチンワークの効率化や医療事故防止の観点からも役に立ちます。
今は空前の外国人旅行者の訪日ブームですが、ブームでは終わらず、今後、ますます観光客を含めた外国人の来日が増えることが見込まれています。外国人観光客の中には滞在中、急な病気やケガで医療機関を受診する人もいるはず。調剤薬局やドラッグストアに外国人が訪れる機会もあるでしょう。
英語をメインとして、医療や薬に関する日常会話程度の語学を修得していれば、急な外国人患者さんの来店の際にも慌てずに適切な対応を取ることができます。
外国語と聞くと気が引けてしまう人もいるかもしれませんが、複雑なセンテンスは必要なく、鎮痛剤や外用薬などの薬の説明や医療機関への受診勧奨など簡単な説明を2、3の言語で覚えておけば充分です。
医療はスタッフと患者さんの信頼関係によって成り立ちます。信頼関係を結ぶためにはお互いを知る必要があります。薬剤師は患者さんを良く知り、患者さんの病状、考え方、生活スタイルにあった指導を行う必要があります。
患者さんを知るためにはまず、良好なコミュニケーションを取ることが第一歩です。また、チーム医療が求められる中で、医師や看護師をはじめとする他職種と円滑に連携するためにも情報共有や連絡伝達などコミュニケーションスキルは必要です。
コミュニケーションに対して苦手意識を持つ人もいますが、コミュニケーションはスキルであり、練習により身に付けることができます。患者さんとの良好な関係を気づくため積極的に修得したいスキルの1つです。
業務時間外の研修や継続的な個人学習など、ノンテクニカルスキルを身に付けることは簡単ではありませんが、人間性やコミュニケーションの向上は、昇任や転職といったキャリアアップに役立つスキルでもあります。
自分が興味のある分野についてどんなスキルがあるのかを調べて勉強してみることをお勧めします。
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さゆみ 薬剤師ライター。病院での薬剤師としての勤務を経験後、現在は、管理部門で医薬品や化粧品、サプリメントなどヘルスケア全般に関する業務に従事。現場と管理部門での両方の業務で得た知識をもとに、健康や美容に関するライターとしても活動中。 |