自分のキャリアを考えるとき、全ての選択肢を知り尽くすのは困難です。その上、自分の適性について、自分では気がつかないことも多いのです。キャリアコンサルティングは、隠れた適性に気づかせてくれたり、これまで知らなかった選択肢を示してくれたりします。
厚生労働省の「平成28年度能力開発基本調査」によりますと、キャリアコンサルティングを受けた人の約9割が、「相談が役に立った」と回答しています。
その理由として、「仕事に対する意欲が高まった」、「自己啓発のきっかけになった」「自分の目指すキャリアが明確になった」などが挙げられています。つまりコンサルティングを通して、自分の能力や適性、興味などに気づき、それらに沿った能力開発と職業選択が行えるようになるということです。
では、キャリアコンサルティングは、どこでどのように受けることができるのでしょうか?主なサービスを挙げておきます。
まず、ハローワークがあります。ハローワークの正式名称は職業安定所で、国民に安定した職業を提供するため、厚生労働省が設置しています。次に、東京しごとセンターが挙げられます。この施設は、東京都が都内の雇用・就業を支援するために設置しています。
続いて、いわゆる転職サイトがあります。転職サイトとは、民間企業が開設した職業紹介や人材紹介サービスのことで、医師や看護師、薬剤師など医療系に特化したサービスもあります。最後に、キャリアカウンセリング協会が挙げられます。非営利の民間団体で、有料・無料のカウンセリグサービスを行っています。
まず、ハローワークと東京しごとセンターですが、キャリアカウンセラーなど専門家が担当し、幅広い見地からアドバイスが得られることがメリットです。
デメリットは、コンサルティングの内容が一般的なものになるため、すでに専門的な資格を持っている人や、自らのキャリアの方向性がある程度固まっている人には、不十分に感じられることがある点です。
次に、転職サイトですが、メリットは、自らの方向性や志向に合ったコンサルティングが受けられる点です。医師や看護師、薬剤師などに特化したサイトであれば、専門的な視点からアドバイスが受けられ、資格やスキルを活かせる職場も紹介してもらえます。
デメリットは、サイトによって強みと弱みがある点です。たとえば、医療系でも病院の内情には詳しくても、企業にはコネクションが少ないところもあります。加えて、コンサルタントとの相性の問題があります。ノルマ達成のため相談者の意に沿わない提案をしたり、多忙を理由にメールや電話のみで済ませたりする人も存在します。
最後にキャリアカウンセリング協会ですが、専門家の立場から幅広い見地で、自分の適性や特性を見極められるようなアドバイスがもらえる点がメリットです。
ただし、一般的な内容になりがちで、キャリアの方向性が決まっている人には物足りなく感じられるかもしれません。加えて、無料のコンサルティングの場合は、研修用として会話を録音されるため、気になる人は有料のサービスを使いましょう。
キャリアコンサルティングを受ける際の注意点としては、まず国家資格や専門知識を持っていて信頼できるカウンセラーがいるところを選ぶことです。キャリアコンサルタントの名称が使えるのは、国家資格を持っている人だけです。資格保持者は守秘義務や信用失墜行為の禁止義務があるため、安心して相談することができます。
次に、自分自身を見つめ直し、どのような人生を過ごしたいのか、じっくりと考えておくことが大切です。人生100年時代を迎え、以前より職業人生が長くなっています。結婚や出産・育児、介護などライフイベントに合わせて、働き方を変える必要に迫られることもあります。理想の人生を送るためにどのような働き方が最適か、自分の仕事観も含めて検討しておきましょう。
自分に不足している能力やスキルがあれば、それを埋めるため学び直しの時間や行動計画も必要です。例えば、薬剤師の資格を持っている人の場合、考えられる職場は、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、病院、大学などの研究機関、行政機関など、幅広い選択肢があります。それぞれで求められる経験やスキルが異なるため、自分の興味に合わせてプランを立てることが重要です。
国家資格や専門知識を持った経験豊富なキャリアコンサルタントと、一対一でじっくりと話せるサービスが理想です。人に話すことで新たな気づきがあったり、目標が明確になったりします。さらに自分の希望を見つめ直し、自らも情報収集をすることで、キャリアコンサルティングは実り多いものになります。
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どちらも無料でご利用いただけますので、ぜひご利用ください。
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