2020年開催予定の東京オリンピック。どんな大会になるのか、またそれにあわせて社会がどう変わるか、楽しみですよね。近年では観光地としても人気が高い日本ですし、選手団以外にもたくさんの外国人観光客が訪れること間違いなし。そんな滞在中の方々のために、薬剤師としてすべきことはあるのでしょうか?
まず一般観光客が増えるのは会場付近。それに伴って近辺の薬局やドラッグストアには多くのお客様が訪れるはずですよね。特にドラッグストアは医薬品以外の商品も数多く取り扱っていますから、訪れる可能性が高くなります。
また試合が行われる会場だけでなく、すこし離れた郊外に各国のキャンプ地ができますので、この付近も外国人のお客様が増えるでしょう。そんな時なんといっても必要なのが言語。英語はもちろん、来日人数を考えると中国語や韓国語も話せるととても役に立つでしょう。
近年では英語を話せる人が増えましたが、まだまだ苦手な人も多いですよね。まだ時間はありますので、これを機に勉強してみるのはいかがでしょうか?
オリンピック選手はどこの代表であっても国の期待を背負って訪れています。したがって基本的には食事や体調、ましてやドーピングの危険性がある医薬品は本人やスタッフが徹底した管理を行っているでしょう。
とはいえ、どのようなことがあるか分からないのも事実。不測の事態にともなって病院や薬局を利用するかもしれません。市販の風邪薬などでも十分ドーピングになってしまうので、可能性のある患者さんやお客様には「選手ではありませんか?」と尋ねたいですね。
また、禁止薬物は年々更新されますので、最新の情報を閲覧できるようにしておきましょう。
英語やその他の言語による日常会話に困らないレベルなら問題はありませんが、外国人の患者さんやお客様に尋ねられるのは医薬品のことだけではありません。
例えばトイレの場所や駅、会場までの道のり、欲しいものを手に入れられる場所などがあります。業務中ですし一緒に連れて行けるとも限りませんので、予測できる質問については案内を作っておくと安心。紙でも良いですし、翻訳・コミュニケーション用のタブレットなどを設置しても良いでしょう。
日常生活程度であれば、言語が通じなくとも手振り身振りでなんとか理解できることも多いでしょう。しかし体調に関する微妙なニュアンスや間違いが許されないドーピング問題に関してそれでは、不安が残りますよね。せっかくですから心から日本を楽しんでもらえるよう、薬剤師として今からできる準備はしておきましょう。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |