一見ただの水のようなのに甘く味があるフレーバーウォーター。近年「透明な」ジュースが相次いで発売され、ブームとなっていますよね。これらの飲料の中には糖質や乳成分を含むものもあるため、患者さんによっては注意が必要です。服薬指導で説明するためにも、特徴をおさえておきましょう。
様々な味のフレーバーウォーターがありますが、まずなんといっても特徴的なのは透明な見た目。ミネラルウォーターと間違えて購入してしまう例も少なくないようですが、すべて水のように0 kcalだと思ってしまう方も多いようです。
「桃の天然水」などのミネラルウォーターに薄く味をつけた商品は20年以上前から存在していましたが、ここ5年程度でラインナップが豊富になりました。フルーツや野菜の味が楽しめる「い・ろ・は・す」シリーズは、近年のブームの火付け役と言っても良いでしょう。
また透明な見た目からは想像しがたい、ヨーグルト味の「ヨーグリーナ」、カフェラテ味の「アサヒクリアラテ」もあります。さらに2018年6月にはコーラの透明飲料「コカ・コーラクリア」も発売されました。
これらの透明飲料については製造方法に興味がわきますが、薬剤師としてはカロリーや成分も気にするべきですよね。新発売のコカコーラクリアのようにカロリーゼロの商品もありますが、少ないながらもカロリーが含まれている物もたくさんあります。
例えば、「朝摘みオレンジ&サントリー天然水」は100 mLあたり19 kcal、「い・ろ・は・す りんご」は17 kcal、「ヨーグリーナ&サントリー天然水」は24 kcal含まれ、100 mLあたり20 kcal前後の商品が多いようです。「アサヒクリアラテ」のように低カロリーを売りにしていても100 mLあたり10 kcalと全くのゼロではありません。
通常のジュースと比べてさわやかな飲みやすさがあるため、水のようにゴクゴク飲めてしまうのも注意したいポイント。カロリー制限が必要な患者さんにはフレーバーウォーターにもカロリーが含まれていることをきちんと指導したいですね。
フレーバーウォーターについて注意したいことはカロリーだけではありません。ヨーグルト味やカフェラテ味の商品には乳成分が含まれていることを認識しておく必要があります。牛乳アレルギーのお子さんをもつ保護者や本人は大抵、細心の注意を払っているでしょう。
しかし見た目からは到底乳製品と思えないようなフレーバーウォーターでは、勘違いやうっかりが起こりがち。ショックを起こしてしまうような事故を防ぐためにも、アレルギーを持つ患者さんには定期的に注意喚起したいですね。
ジュースやお酒には思ったよりもたくさんのカロリーが含まれているもの。見た目には透明なフレーバーウォーターですから、通常のジュースなどよりも一層、カロリーへの意識は薄れてしまいそうですよね。乳成分への注意もありますし、服薬指導の際にはぜひ一度、出してみたい話題です。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |