昨年から、セクハラを許さないMeToo運動はハリウッド女優も多数参画する大きな動きになりましたね。女性が安心して活躍できる社会を作るためには、セクハラを許さないのが当たり前の世の中にする必要があります。今回は女性薬剤師にも起こりうるセクハラへの対策を考えてみました。
よくセクハラ加害者はほんの軽い冗談だった、と主張します。しかし被害者は心に大きな傷を追ってしまうことも珍しくありません。この加害者側と被害者側の意識の乖離がセクハラ問題の怖いところ。周りがどう言おうと、これまでがどうであろうとセクハラは決して許してはなりません。
相手が上司であったり、強面の患者さんや高齢者だったりすると強く言えず、曖昧な拒否になってしまいがちですがここが頑張りどころです。冗談だったなどと冗談でも言わせないような毅然とした態度で拒絶しましょう。
なにかを言おうとするとすぐ涙が溢れてきてしまう人もいるため難しいかもしれませんが、過剰に泣いたり怒ったりするのも感情的と捉えられ、効果的とはいえません。できるだけ冷静に、しかし強くはっきりと「やめてください」と言いましょう。もちろん、拒否するしないの問題ではないレベルの相手の場合は一刻も早くその場から逃げてくださいね。
親身になり、よりそってくれる薬剤師の存在は患者さんにとってとても心強い存在。私も患者さんと接する限り、そんな頼られる薬剤師でいたいと思います。しかし、近づくのはあくまで薬剤師と患者としての心の距離だけにしておきましょう。聞いた話ですが、一部の人は「手を伸ばして届く距離にいると触っても良い気がする」そうです。たとえそれが無意識や本能とはいえ、許して良いわけではありません。
また、この時代になっても入院中たくさんの看護師にセクハラ行為を行い、「追加料金払えばいいんでしょ?」などど耳を疑うようなことを言う方もいます。患者さんによりそって信頼関係を築くことは重要ですが、自分が不快な思いをしないためにも必要以上に近づくのはやめましょう。
患者さんではなく、上司や同僚などのスタッフからセクハラを受ける場合もあります。そしてこの場合、職場に居づらくなるんじゃないか、空気を悪くしてしまうんじゃないか、と悩みなかなか言い出せない方も多いようです。しかしセクハラを受けることで不快な思いをし、それを訴えるかどうかで悩んでいる時点で、すでに職場は居心地の良い場所ではありません。
また、セクハラの存在が明らかなのに黙認されているのであれば良い職場とはいえません。そして他の人に相談することで空気が悪くなるのであれば、あなたにとって合う場所とは言えませんよね。したがって、本人にきちんと伝えたり、周りに相談したりしても改善がなければ心をすり減らす前に職場を変えてしまう方が自分のためです。
幸いなことに私たち薬剤師にとって転職は非常に有利な状況。再就職先に困ることはないでしょう。もし周りがセクハラの存在に全く気づいておらず、明かしたくないのであれば適当に理由を付けて転職してしまうのも手でしょう。
今まで社会的に黙認されてきたセクハラ。それが今やっと、泣き寝入りしなくても済む時代に変わろうとしています。もし不快になるような被害をうけたら毅然とした態度で断固拒否し、それ以上被害を受けないよう自分を守ってください。そうした態度がより過ごしやすい社会を作る力になれば良いですね。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |