子供が小さいのでフルタイムで働けないというママさん薬剤師、プライベートも充実させたいという若手の薬剤師、それぞれに悩みはあります。
派遣ならパートやバイトに比べると時給も高いですし、勤務日や時間も比較的自由に設定できます。派遣薬剤師のメリットとデメリットを理解して、仕事と家庭を賢く両立させてみませんか?
まず、一番のメリットは時給が高いことです。都市部では2,500円から3,500円とパートに比べて500円程度高くなっています。さらに地方都市では3,000円から4,000円が相場で、少し不便な地域では3,500円から4,500円とさらに高めに設定されています。ですから短時間で高収入を目指すにはピッタリです。
自分の都合に合わせて、勤務時間や日数が調整しやすいのも魅力です。週1日や3日勤務、時間も自由に調整できるので、保育園や幼稚園の送り迎えに合わせて時間を組むことも可能です。もちろん、土日祝日を休みにすることも問題ありません。
契約で勤務時間が決まっているので、残業やサービス残業がほとんどない点も働きやすいでしょう。
地方の交通が不便な職場なら、住まいの手配や引越し費用を負担してくれる求人まであるので、短期間ならと割り切って田舎暮らしを楽しむこともできます。派遣で職場をはしごしていても、職歴としては派遣会社1社ですから、履歴書を汚すことにもなりません。
メリットが多い派遣ですが、デメリットもあるのでしっかり知っておきましょう。
まず、派遣期間が短いので、通常1カ月から数カ月で勤務先が変わります。人間関係をそのつど作らないといけないですし、患者さんと親しくなることも難しくなります。また、求人が多いとはいえ、希望にあう派遣先が自宅近辺になく、遠方に行くしかない、ということも起こります。
管理やマネジメントに興味がある人にとっては、管理職になれないというのもデメリットです。出世意欲のある人はやはり正社員を目指す方がよいでしょう。さらに、派遣の場合は同じ業務ばかりをやることが多いため、スキルアップしづらいですし、どれだけ経験を積んでも時給は変わらない、といった点もデメリットでしょう。
派遣先は忙しい職場が多いので、手取り足とり教えてくれる時間がなく現場に慣れるのに苦労することもあります。仕事を頑張ってもボーナスはもらえませんし、退職金もありません。それに繁忙期が過ぎれば契約を打ち切られてしまいます。
つまり、派遣の高い時給は不安定と引き換えということでもあるのです。
デメリットも少なからず存在する派遣ですが、それを減らす工夫をすれば快適に働くことは可能です。
まず、薬剤師派遣に実績がある、しっかりとした大手の派遣会社に登録することです。大手は求人も多いので、働きやすい職場を紹介してもらうことが期待できます。そして事前に職場の詳しい情報をもらいます。たとえば、人間関係は良好か、同年代の同僚や派遣薬剤師が他にもいるか、店長や上司となる人の人柄などです。
未経験の業務にチャレンジする場合は、「未経験OK」の職場を紹介してもらうこともできます。
最終的には正社員のポジションを探している人は、紹介予定派遣を活用するとよいでしょう。紹介予定派遣とは、半年から1年の間、派遣薬剤師として働いたのち、本人と派遣先、派遣会社の同意があれば、紹介先に正社員として入社できる仕組みのことです。
派遣薬剤師にはメリットとデメリットがあります。メリットを最大限に生かして、デメリットを減らす工夫をしましょう。そうすればキャリアを損なうことなく、自分に合った働き方を見つけることができるでしょう。