ここ数年でAIが発展し、ビッグデータという言葉もすでに新しくなくなりましたね。コンピューター専門家のように最先端の技術開発をする機会はなくても、山のような情報を活用していく術は薬剤師にも必要。今回は、普段の薬剤師業務に使えるデータベースについて調べてみました。
もし、この疾患の治療法で、目新しいものはないか?この薬の使い方はエビデンスに基づいているのか?と疑問に思ったとき、最も信頼性が高いのは複数の原著論文を読むことですよね。そこでおすすめなのが、無料で使える論文検索サイト。
和文中心なので英語が苦手でも安心なJSTAGEやCiNii, 英文でもより多くの情報を得たい人にはPubMedがあります。この3つは非常に有名なので、既に使っている人も多いかもしれません。
本文まで読めるのはオープンアクセスのものに限られますが、とても役立つ情報ばかり。論文検索は時間に余裕がなければなかなかできない作業ですが、薬剤師としてのレベルアップには欠かせません。自宅からでも利用できるので、産休や育休中のスキマ時間にも取り組んでみたいですね。
今知りたい!という情報が載った文献をすぐに探し出せるとは限りません。そんな時役立つのが、ある種のデータがまとまったデータベース。もし知りたいのが副作用なら、PMDAが公開している医薬品副作用データベースがおすすめです。どの薬剤でどんな副作用が出たかが、患者の性別、年齢、原疾患、併用薬などとあわせて閲覧できます。
また、iyakuSearchも非常に役立つ情報が満載。緊急で必要になることは少ないかも知れませんが、臨床試験の結果や進行状況が見られるのはなかなか興味深いですよね。医薬品の構造データなども調べられます。
現在どんな傾向で処方が行われているのか、健康水準はどうなっているのかといった情報が知りたい時、どうしていますか?統計的にまとまった1次、2次、3次資料を見るのも良いですが、もう少し詳しく知りたいこともありますよね。そこでおすすめなのがNDBオープンデータ。
特定検診やレセプトを元に様々な結果が集計され、公開されています。公開しているのは厚労省ですので、信頼性も抜群。薬剤1剤1剤ごとに使用実績が閲覧できるため、同成分の中でどのメーカー、規格が多く使われているかなどを知ることができます。
都道府県別でもまとめられていますが、性別や年齢別表示で見ると、「高齢者への処方は避ける傾向」などを独自にまとめられそう。他には特定健診で問題の多かった項目や保険点数の算定件数などを調べられます。
患者さんや他の医療スタッフに質問され、返答に困ったことはありませんか?何か問題に当たったとき、解決するためのツールを知っているということは大きな力になります。今回紹介したデータベースはどれも信頼性の高いものばかり。どんどん活用し、より知識を高めていきたいですね。
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ちゃちゃ 薬剤師。大学で研究をしながら週末はドラッグストアで勤務。見聞を広めるため医療系ライターとしても活動中。 |